自分にしかできないスクールリーダーになるために (7)相手の存在を認めて呼びかける

eye-catch_1024-768_nakatake日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター(株)チームボックス代表取締役 中竹 竜二


「メンタルヘルス」という言葉をよく耳にします。「心の健康」に問題を抱える人たちが増えているということでしょう。社会で働く大人たちだけではなく、子供たちの問題としても大きく取り上げられています。

問題の根本的な原因は、個々が孤独感にさらされていることにあるともいわれています。社会の中で自分の価値を感じられず、自分の存在感の薄さに多くの人が孤独のうちに悩んでいるのが現状です。その孤独とは実際にどういうものなのでしょうか。今回は、2種類の孤独について考えていきます。

私は、「無人島での孤独」と「群集の中の孤独」とを分けて考えます。前者はそもそもそこには誰も存在せず、最初から一人で存在している状態。もとより頼る人がいない状態です。これに対して、後者は周りを見渡せば大勢の人々が存在し、仲良く話している人もいれば、けんかしている人もいる。悲しんでいる人、楽しんでいる人がいるにも関わらず、自分だけがマネキン人形であるかのように誰からも相手にされず、話し掛けもしてもらえない。本当に孤独としてつらいのは後者です。近代以降、この群集の中の孤独感が増しているのが現状です。

人は失敗した時に自分を責める一方で、他人から叱られたり責められたりするのを恐れます。本当に怖いのは、自分が失敗したにも関わらず、誰からも怒られず責められないことです。組織の中で失敗しても誰も怒らないということは、そもそも期待されていない、仲間として認められていないという認識に変わってしまうからです。

仮に周りの人が「彼は一生懸命なのだから責める気はない」という気遣いから何も声を掛けないとき、あるいは何と声を掛けていいか分からないときであっても、本人は強烈な孤独感を感じるものです。失敗したときだけでなく、悩んだとき、落ち込んだとき、悲しんだとき、同じように放置されると孤独感につながっていきます。周りにいる人たちが気付いていたとしても、「自分には何もしてあげられない」という遠慮から、相手を孤独に追いやっているケースがあります。

皆さんの教室や職員室にそのような方はいらっしゃいませんか。何もできなくても、「悩んでいるのですね」「つらいですね」など反応してあげることが孤独感から救う第一歩です。

もう一つ、毎朝の挨拶を、個々の名前を呼んで「○○さん、おはよう」というようにしてみてください。人は思った以上に孤独感を感じ、安心感を求めています。相手の存在を認め、呼び掛けることでそれを示しましょう。

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