保護者と歩む学校経営(3) 入学説明会・その2

eye-catch_1024-768_nagahori_fin早稲田大学大学院非常勤講師 元茨城県牛久市教育委員長 永堀 宏美

入学前の保護者の不安を払拭し安心度を高める

保護者の安心度を高めるには、(1)「いまどきの学校」を分かりやすく伝える(2)就学支援プログラムの実施――も効果的です。

(1)の「いまどきの学校」は、教師と児童生徒の関わり方や保護者との関係づくりが昔と違います。特に初めての子を入学させる保護者は、自分が通っていたころとの違いが分かっていません。今話題の「学習指導要領」改訂なども、実際にわが子の学校生活にどう影響するのか、家庭で保護者はどう対応すればよいのか、即答できる人はほぼいないでしょう。

「先生なんてどうせ分かってくれない」など、自らの子供時代の負の学校イメージを重ねてしまったり、世間の批判的論調に影響されて懐疑的な目を向ける保護者もいます。それらを一瞬で転換させることは困難です。まずは「いまどきの学校」の姿や取り組みを分かりやすく伝え、徐々に心のガードを取り払っていきましょう。保護者の抱く学校イメージが良い方向に向かえば、子供にも好影響が期待できます。

(2)は、学校が「本気で子育てを応援している」と入学前の保護者に感じてもらうための勇気付けと安心を届けるものです。その実現に最適なのが、ワークショップ形式の就学支援プログラム。保護者の出席率が高い就学時健診や入学説明会の機会を生かした子育て支援になります。

学校関係者の入学前の準備や心構えを説明した後、「子供の幸せな自立を目指す」ための子育てコーチングを行うもの。NPO法人ハートフルコミュニケーションなどが行っており、一方通行の講演ではなく、日常的なコミュニケーションの改善や子育ての思いの交換など、参加度が高い手法を用いるのが特徴です。思春期の子育てに悩む中高生の保護者にも、非常に有益で評判の高い内容です。

小学校の場合は、子供プログラムを併用し、体操指導者や劇団員、地域の応援団などの指導の下、楽しみながら幼稚園・保育園の垣根を超えた友達の輪を育てる方式が好評です。

導入検討の折には、多忙を理由に消極的な教員に対し、保護者と子供だけでなく、学校・教員にも大いにメリットがある点を強調して、粘り強く働き掛ける中で実現した例もあります。

この方法を実施することで入学後は、「4月の役員決めに数時間掛かっていたのが3分で終わった」「健康調査票の提出期限をほぼ全員が守ってくれた」「初めての学級懇談会でも友好的な雰囲気だった」など、学校現場からも高く評価され継続実施されています。