クオリティ・スクールを目指す(121)国語を好きにさせる授業

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

起死回生の手立てはないのか

一人の小学校教師が全国学力・学習状況調査をみて「国語が好きという子供が少ないな」とため息まじりに話していた。

確かに、思いがけないほどの低さにみえる。「国語が好き」という子供は、今年度の結果をみると全国平均25・5%である。4人に一人である。ここ数年変わらない。

算数の場合は、「好き」という子供は38・5%、3年前に実施した理科は55・0%である。国語のみがかなり低いと言ってよいだけでなく、極めて重要な問題である。

作家で数学者の藤原正彦氏が『文藝春秋』3月号の『小学生に英語教えて国滅ぶ』で「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」を提唱している。氏が繰り返し提言している内容である。

英語の話はともかくとして、特に小学校は国語中心の教育にすべきだという提言であるが、氏も述べるように「起死回生」の手立てはないようにみえる。

そのため、「国語が好きな」子供は減るばかりである。「好きな教科・活動ランキング」をみると、1990年は小が6位、中が7位であった。96年は中が最下位の9位になる。ところが01年は小が8位に低下するが、中は6位まで回復する。そして15年は小・中共に9位となっている。なお、ちなみに小の英語活動は4位で、中の英語は最下位の10位であった(ベネッセ教育総合研究所『第5回学習基本調査』2016)。

最も重要なのは、学ぶ教材が面白いことであるが、すぐれた教材でも教師が細部にこだわって、子供を飽きさせてしまう例も多い。国語指導に課題が多いことは確かである。ただ、「国語を好きという子供」を育てることは案外難しい。しかし、国語が子供の考え方の基礎を形成することを考えれば、国語研究者が「どうすれば国語を好きにさせられるか」という具体的で誰もが取り組める指導方略を創り出す必要があるのではないか。

次に頼るのは国語教科書の教材である。恐らくは新学習指導要領によって大幅に改訂されると考えるが、その改訂の視点に「国語が好きになる」要素をふんだんに盛り込めないかという期待がある。全国学力・学習状況調査は「国の授業は将来、社会に役立つ」とする子供は55・7%であった。「国語の勉強は大切」とする子供は65・7%である。それでいて「国語が好き」25%はいかにも低いと言える。子供は国語が大切と考えながら、好きになれないでいる実態を変えることが必要である。

その指導の基本に教師の創意工夫が存在することは確かである。しかし、教師のみの指導では容易に変えられるとは思えない。やはり、国語教育のあり方全体を見直すことが必要なのではないか。