自分にしかできないスクールリーダーになるために(10)「叱る」基準を決めておく

eye-catch_1024-768_nakatake日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター(株)チームボックス代表取締役 中竹 竜二


皆さんは、子供たちを「褒めること」と「叱ること」どちらが簡単ですか。褒めることはできるのに、いざ注意しなければならない時になると、うまく叱れないというパターンはとても多いのです。これは、つまり「叱る」ということが基本的にネガティブな行為だからです。

よほどの理由がない限り、叱られて喜ぶ人はいません。だから子供から好かれようと思うと、相手を喜ばせようと叱れなくなってしまうのです。

しかし、本来、指導者がするべきなのは、好かれる努力ではなく、子供を成長させるための努力であり、いい先生というのは、褒めることと叱ることの使い分けをうまくできる人です。

叱るポイントは「基準を決める」ことです。叱ることが難しいのは、叱る基準が曖昧だからです。子供たちはそれぞれ個性が違うため、褒め方や叱り方は個別に変えていく必要がありますが、何をもって叱るかは同じにしなくてはいけません。

基準を決めていないと、叱るかどうかを毎回考えてしまったり、同じことをしてもある子は叱られ、ある子は許されるということが起こったりするのです。基準は人それぞれですが、「子供たちに必要かどうか」で決めます。子供自身に決めさせるのも良いでしょう。

私は普段「怒らない」というスタイルを貫いていますが、選手がずるいことをしたり、チームの邪魔をしたりする場合には、唯一叱ると決めています。このように「指導者自身の信念に従っているか」は大切な基準です。ただ、基準を決める一方で、決まり切った常識は存在しないことを理解するのも大切です。

例えば、クラスとして守るべきルールや、教師として伝えたい信念は、皆で共有して初めて「基準」になります。大人はつい常識の範囲で考えがちですが、社会の中に存在する暗黙のルールや一般常識とは、あくまで私たちにとっての常識にすぎません。

特に今後は、これまで以上に子供たちが育つ環境に多様性が生じ、いわゆる常識が通じなくなってくるでしょう。褒めると叱ることの基準を自身の中で作ってください。子供たちと信頼関係を築くためにも、納得感のある叱り方を心掛けていただきたいと思います。

(おわり)

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