保護者と歩む学校経営(9)入学式 その3

eye-catch_1024-768_nagahori_fin早稲田大学大学院非常勤講師 元茨城県牛久市教育委員長 永堀 宏美

学校を支える存在を示し信頼を得る

(1)信頼の要素を示す

入学式の保護者は、「明日から笑顔で登校できるだろうか」「勉強や友達関係は大丈夫か」とわが子を案じています。そうした不安に応えるには、「毎朝、安心してわが子を送り出せる学校」につながる要素を示してもらえればと思います。保護者との信頼関係につながります。

(2)働き掛けの具体例~教員紹介

効果的なのは、具体的でイメージしやすい言葉や語り掛けにより、保護者が信頼の要素を実感できるよう働き掛けることです。その観点から、式典でよくある教員紹介に焦点を当ててみましょう。多くの場合、檀上の教諭の名前の連呼とお辞儀のみ、一言添えても「よろしくお願いします」だけと、遠くに座る保護者にはよく分からないまま終わります。学校には慣れた顔でも多くの保護者には初対面なのです。子供がお世話になる学校関係者が誰なのか、よく分からず不安な保護者を置いてきぼりにしないでください。式辞の「信頼してほしい」がむなしくなります。

(3)「頼れる学校」に不可欠な要素

例えば、写真や似顔絵入りの一覧表を受付で配布した上で、紹介の際は遠くからでも分かるように、本人をスクリーン投影しながら氏名と役職をゆっくり告げ、人柄の分かるひと言も添えてください。伝われば、保護者の安心材料となって「頼れる学校」の素地(そじ)になるでしょう。

その際は、学校を支える方々も一緒に紹介してください。養護教諭や給食担当の栄養士、事務室スタッフはもちろん、担当地区の民生委員、児童委員、登下校の旗振り、見守り、読み聞かせなどの地域ボランティアの皆さんなど、入学後には多くの方々のお世話になります。そうした方々と面識を得ることは、保護者の安心度を高めると同時に、「地域から信頼される学校」をも強く印象付けるでしょう。

多少時間が掛かっても、必ず後でプラスになって返ってきますので、入学式の全体構成を見直して時間を確保し、ぜひ取り組んでみてください。

(4)学校組織マネジメントにも有効

管理職が関係者を等しく同じ場で紹介することは、組織の活性化や個々の動機付けに不可欠な要素で、学校組織マネジメントの点からも有益です。式全体をプレゼンやプラス表現の研さんの場と位置付け、管理職自らが率先して取り組んでください。「児童生徒のやる気を引き出す言葉掛け」を掛け声で済ませず、あらゆる場で教職員同士でも実践し身に付けていることが、学校の底力を上げていくでしょう。

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