クオリティ・スクールを目指す(123)国際的な教育祭典への感想

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

世界の教育多様性に関心を
3月17~18日に世界各国の教育関係者が集う教育の祭典(Global Education & Skills Forum 2018)がドバイで開かれ、約2800人が参加したという。その記事が3月26日付の本紙のトップに掲載されていた。小木曽編集部長が、その祭典に出席しての報道である。そうした祭典があることをわずかに聞く程度であったが、今回本紙が取り上げてくれたことで認識を新たにした。同じようにわが国の教師たちは、ほとんど知らなかったのではないか。

日本人の参加者はどの程度だったのか。

この祭典にトニー・ブレア元英首相が参加したが、彼は首相時代、今日の英国で最も重要なことは「教育! 教育! 教育!」と述べたことで有名である。サルコジ元仏大統領やノーベル平和賞のゴア元副大統領らが出席するほどの意義のある祭典である。

「2030年以降の世界の若者のために、われわれはどう準備すべきか」が中心テーマである。例えば地域の戦乱やアメリカの銃撃事件、貧困など、生々しい課題を含むだけなく、AIやロボットなど未来志向の課題もみられる。

興味深かったのは「グローバル・ティーチャー賞」を英国のブレント市立中学校美術教師が受賞したことである。同市は移民が多く、校内では130もの言語が飛び交っているという。そこで学校は生徒らの複雑な生活を理解し、教育に適合させるために、全教科のカリキュラムを再構成したという。また、35言語を努力して覚えた。その結果、この5年ほどで急速に進歩したという。英国は伝統的に自校のカリキュラムを作成するが、この学校の例は想像を絶するものがある。

さらに会場ではトップ10のトークセッションなどが行われたというが、詳しい内容を知りたいと思う。今回は日本の高校教師の実践がトップ50に入ったが、16年はトップ10に入った例もあるという。このような実践例は貴重なものではないか。

周知のようにわが国もまた中教審の『第3期教育振興基本計画』にみられるように、「2030年以降の社会を展望した教育政策」が提示されている。人口減少・高齢化、技術革新、子供の貧困、地域間格差などのほかに、超スマート社会(Society5・0)の課題への展望などがある。「人生100年時代」「人づくり革命」「生産性革命」の言葉もみえる。

現在、世界同時性ともいうべき課題が出現していることは確かで、世界で突出する多様な課題について学ぶことの必要性が今後ますます高まることは必須である。その意味でも本紙に今後さらなる国際的な情報提供を期待したいと考える。