働き方改革と学校システムの刷新 ―接続可能という視点から考える―(8)全員に同じ働き方を求めない

eye-catch_1024-768_sumida_syusei横浜市日枝小学校長 住田 昌治

「働き方改革」という言葉が対象とする範囲は非常に広く、長時間労働の規制、時短勤務、フレックスタイム、リモートワークなど多岐にわたります。働き方を変えていこうとする動きの中で、こういう言葉をよく目にするようになりました。

これまで全員が同じような働き方をしてきました。時短勤務が導入されて戸惑いながら対応している現状から、多様な働き方が浸透した未来を考えると、今まで私たちが前提としてきた考え方も再検討が必要になります。全員が同じ量の仕事をすることが暗黙のうちに前提とされていました。全員が10の仕事をする中で、5の仕事しかしていない者がいると、同調圧力で「他もしっかりやってるのだから、マジメにやれ」と叱られました。

時短勤務のように、元々の働き方が違う人と一緒に働くケースを考えると、このような「全員が同じ量だけ仕事する」ことはもはや前提にはなりません。それぞれの事情に応じて仕事量を調節しつつ、学校経営が機能するような仕組みを再考しなければなりません。よくある間違いは、形式だけ「多様な働き方」を認めておきながら、教職員の考え方は昔と全く変わっていないというものです。時短勤務が認められていても、教職員各自が「仕事はみんな同じようにして当然だ」と思っていると、組織はうまく回りません。時短勤務の当人は後ろめたい気持ちになるし、他の教職員も「あの人だけずるい」「時短は迷惑」と不健全な考えを持ちます。結果的に学校の雰囲気は最悪なものになるでしょう。

結局は今まで通りの画一的な働き方を強いられることになります。「多様な働き方」を推進するためには、教職員の考え方も変えていかなければなりません。目指すべきは、学校内に「多様な働き方」を許容する文化を作ることです。今はフルタイムで働いていても、そう遠くない将来、自分も時短勤務を選択するかもしれない。そう想像できるようになれば、今は事情があって仕事量を減らしている人がいたとしても「ずるい」とは思わなくなります。「全員で同じ目標を追っているが、それぞれの事情で仕事への関わり方には差がある」のは決して不自然な状態ではないのです。

「これからは個人の時代だ」という意見を耳にします。個人の時代にも、上手に機能する学校を作り上げることができれば、今まで以上に成果も上がります。それが個人の活躍にもつながります。時代が変われば、働き方も変わります。昔のやり方に固執するのではなく、「新しい働き方」に合った「新しい学校」を作っていきましょう。

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