働き方改革と学校システムの刷新 ―接続可能という視点から考える―(9)自分の1日をデザインしよう

eye-catch_1024-768_sumida_syusei横浜市日枝小学校長 住田 昌治

「日本人は働きすぎ? 違う違う。休まなさすぎ」

ある飲料メーカーのCMポスターに書かれていた言葉です。働き方改革は、もちろん働き方を変えようとしているのですが、生活という視点に立って考えてみることも肝要です。働いている自分も、休んでいる自分も、同じ一人の人間です。働き方だけを考えていてよいのでしょうか。そもそも私が働き方について着目したのは、睡眠の問題が理由の一つにあります。

電車に乗るとスマホを見ている人と、寝ている人が大半です。研究会や会議中も眠そうな人がいます。講演や研修をやっていても寝ている人がいます。「早く帰って寝た方がいいのになあ」と思うこともあります。仕事と生活は切り離すことができません。寝不足であれば思考力やパフォーマンスは下がりますし、ミスも増えます。結果的にますます仕事が増えます。

時間は有限であり、私たちは生きるために働いています。決まった時間の中で、よりよく生き、幸せに暮らしたいと誰もが思っています。1日の生活が、健康で充実したものになればこそ、仕事にも身が入るのではないでしょうか。働く時間、休む時間、自分の時間を、自分でデザインし、自分の1日を丸ごと変えていくようなアプローチを考えていきましょう。大切なのは、「(子供たちのために)寝食を忘れて働く」ことは美徳ではなく、(寝食を忘れた)教師が疲弊して一番迷惑を被るのは子供たちだという考え方に基づく取り組みにすることです。

例えば、教職員のための日課表(ワークシート)を使って、「自分はこういう生活がしたい」という、自分が望む1日の日課を書き込んでいきます。優先順位の一番は「あなたが必要とする睡眠時間」。次いで「あなたが望む夕食時間」。「寝食を忘れて働かない」のだから、この2項目の優先順位は2トップです。以下、睡眠、食事の時間を勘案して(3)あなたが望む帰宅時刻(4)あなたが望む退勤時刻(5)朝、家を出る時刻(6)朝食時間――を書きます。

寝食を忘れず大切にして働くことで、教師としてのパフォーマンスを上げることができます。人それぞれに異なる事情(必要睡眠時間、育児や介護、通勤に要する時間など)が反映された日課を共有し、その願いを実現するための「勤務時間内の工夫」を考えてみましょう。思えばごく当然のことなのに、ついないがしろにされがちな「働き方変革」の視点です。「そうはいっても……」と言い訳をしていたのでは、何も解決しません。

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