校長のパフォーマンス(86)学校は「信頼の確立」が重要

eye-catch_1024-768_takashina-performance教育創造研究センター所長 髙階玲治

先日、ある元教育長と元教育委員の3人で話し合ったとき、たまたま学校への保護者の信頼度が話題になって、「何割ぐらいですかね」と話をむけると、苦り切った様子で「4割ぐらいかな。5割は切るでしょうね」と、2人とも同意見だった。

実のところ、数年前、校長研修等で尋ねたことがあって、そのときも5割以下が圧倒的に多かった。そこでデータをみせて「8割程度ですよ」と言うと、実感がないのか、半信半疑の様子であった。

今年の3月にベネッセ.朝日新聞の合同調査が発表されて、それによると保護者の学校満足度は小学校86.8%、中学校77.8%である。今回、急に高くなったのではない。この調査は2004年に初めて実施しているが、当時も70%を超えていた。校長たちの思いよりもはるかに保護者は学校を信頼している。しかも年々向上している。

その背景には、学校の保護者対応がかなり丁寧になったということがある。保護者からみると、かつて学校はかなり敷居が高かったのが、最近は対等に近い関係にまで柔らかくなってきたといえる。

また、「先生たちの教育熱心さ」についても04年は小学校66.8%、中学校51.1%だったが、18年はそれぞれ78.9%、67.6%となっている。やはり年々増加している。このような保護者の意向は、今後ますます重要視されると考える。それは、学校の働き方改革によって、学校が保護者に多くの面で協力を依頼する事項が多くなるからである。

今回の調査に「学校から頼まれたら、協力したい、してもよいこと」があって、それによると、「子供の安全を守る巡回活動」が小39.1%、中35.8%である。「PTAの役員」小21.1%、中19.1%、「読書活動や補習の支援」小19.1%、中11.3%、「授業での教師アシスタント」小15.7%、中8.6%、「学校の教育方針や目標を決める委員会への参加」小12.0%、中11.5%、「学校の活動を評価する委員会への参加」小10.6%、中11.4%、「クラブ活動.部活動の指導」小10.2%、中10.0%、「総合的な学習の時間などの講師」小7.0%、中6.0%、である。この数値は学校の働き方改革にとって極めて喜ばしいことではないか。何よりも学校は人材を必要としていて、それが保護者のボランティア活動としてシステム化できれば、大きく変われるのである。

ともあれ、これまで保護者の学校信頼は低いと、やや自虐的に考えてきたことは誤りだったと言える。今後の学校教育の基盤を考えれば、学校は保護者や地域の信頼をベースにした教育推進を積極的に展開すべきであって、保護者の学校満足度が高いことは学校の自信となりうるのである。保護者との連帯が今後大きく膨らむことを大いに期待したい。


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