eポートフォリオで学校が変わる(7)今、求められるeポートフォリオとは

eye-catch_1024-768_morimoto_fin東京学芸大学教授 森本 康彦

現在の高校1年生が受験する2021年度入学者選抜から、大学入試が大きく変わります。新学習指導要領では、教師側の「何を教えるか」の視点ではなく、生徒側の「何をどのように学ぶか」の視点に立った「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」が強く求められています。習得した資質・能力をどう活用し、「探究的な学び」にいかにつなげていくかがポイントです。学びの変化に対応して、大学入試では「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価するものに改善されます。顔の見えない学力試験による選抜から、一人一人の顔が見える入試への変換と言えます。

特に新入試では、多くの大学が難関国立大も含め、学校推薦型選抜(従来の推薦入試)や総合型選抜(従来のAO入試)の定員を大幅に増やし、一般選抜も学力試験だけでは測れない主体性などを評価するようになります。調査書や推薦書、志願者本人記載の資料のウエートが高まり、eポートフォリオへの期待が急速に広がっています。

現在でも、推薦入試やAO入試を受験する生徒に対して、担任らが面接練習や志望理由書の書き方を指導しています。ほとんどの生徒は、思うように書けません。言葉が出なかったり、文章が苦手だったりもしますが、自分が3年間を通して何をしてきたかを具体的に思い出せないのです。「その時に何を感じ」「気付き」「成長したか」「将来にどうつなげていきたいと思っていたか」は、残念ながら覚えていません。例えば、総合学習で作成した成果物が見当たらなかったり、成果発表の録画がなかったりするようでは、どうしようもありません。eポートフォリオには二つの役割があります。一つは学習過程(プロセス)で「学びと評価を促進させるためのツール」としての役割。

大学入試でのeポートフォリオの活用

もう一つは結果としての「学習の成果を引証付けるエビデンス」の役割です。教師は生徒が学習過程を通して自身の学びの記録をeポートフォリオとして蓄積し、活用する主体的・対話的で深い学びと、その評価を盛り立てていかなければなりません。継続的に蓄積されたeポートフォリオは、生徒の学びの実績(良い点)と成長(進歩)、伸びしろ(可能性)までを証明してくれる学習のエビデンスになり、入試にも利用できます。現在高1の生徒は、eポートフォリオを収集・活用し始めなければなりません。新入試の出願書類を書こうとして「あれ、何を学んだんだろう」ということがないように。

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