AI時代の学校教育と教師に求められる資質能力(6)物事を捉える土台の存在に気付く

eye-catch_1024-768_matsuda_fin東京学芸大学副学長 松田 恵示


  そもそも「AI時代の教育には何が必要か」といった類いの話をする場合、「AI時代には、〇〇、××が必要になるので、これが基礎でこれが基本で…」といった形式で物事を考える癖が私たちには染み付いている。しかし、そのような「手段的教育観」からは、なかなか「生きることを面白くすることのできる人間」は育たないのではないか。

 「面白い」という感覚は、「ほっとする」や「安心する」感覚とは違う。トンネル出口近くで、パッと光が当たって「面」が「白くなる」感覚である。「ワクワク・ドキドキ」する世界に対して、肯定的・積極的に関わる構えである。これは「夢中」なさまに見られる、まさにそのこと自体が「面白い」という目的的な行為の積み重ねの内にしか育たない。「何かの役に立つから学ぶ」というよりは、「学ぶこと自体が面白い」感覚である。

 ところで「教育観」とは、教師が日頃子供たちに向き合うときに、知らず知らず判断の土台となっている価値観や志向性である。…

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