クオリティ・スクールを目指す(127)教員不足という危機管理

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

子供への影響どう防ぐ

最近、教員の不足を嘆く声を聞くようになった。例えば、産休代替教員のなり手がなく、やむを得ず教頭(副校長)が学級担任を兼ねているという。

広島県では非常勤講師などが不足して、国語と理科の授業が一部できなくなったというニュースがある。他の県の例でも英語の授業がひと月ほどできなかったと聞く。かつては教員希望者が多く、教員不足のニュースをほとんど聞くことがなかったが、人手不足は小・中学校にまで影響し始めたのであろうか。

最近の企業等にみられる就職採用の動きはすさまじい。特に中小企業や流通、建設業などは、若者が「大手志向」のために有効求人倍率が10倍前後に達していると産経新聞が報じている(6月2日付)。完全な「売り手市場」である。

数年前は、若者の就職難にあえぐ姿が多くみられたが、最近は様変わりである。もともと好況・不況によって就職状況が大きく様変わりする状態がみられたが、そうであれば好況が将来的に長く持続することはなく、今後「買い手市場」がやってくると思える。

しかし、どうであろうか。周知のように少子高齢化の進展は激しく、わが国の労働人口が急激に減少することは確かである。企業が労働者を確保すること自体が難しくなる時代を迎えるのである。

そうであれば、学校が期待する教員増加はかなり難しい。早急な対策を必要とする文教政策の大きな課題である。

ところで、現状にみられる教員不足の課題であるが、それは今直ちに解決を要することである。すでに子供への影響がみられる。教頭の学級担任もその日常の役割の過重さから考えて、学級に打ち込むよりも、教頭職務へ傾斜するであろう。子供は中途な対応を受けることになる。したがって、教員補充が行われる場合について危機管理的な発想が必要である。例えば産休代替要員が必要とされるのは事前にわかることである。非常勤講師が不足の場合も教委が把握できるであろう。

このことは学校それぞれの問題ではあるが、教委の危機管理的対応が重要である。地域に教員代替要員を求めて事前に人材を確保するなどの対策が必要である。その基本は子供の授業を空白にしない万全の対策である。

現在、学校の働き方改革が盛んに言われているが、教員の勤務時間が限界にきていることから、何らかの教員増加や学校支援員の増加を含めた改革でないと意味ないであろう。

そのことに期待したいが、目前におきる教員不足の問題はそれを待っていられない。現状の中でどう解決するか、そのことの危機管理こそ重要である。