カリキュラム・マネジメントとは何か?(2)想像力で切り開くこれからの教育

上越教育大学教職大学院教授 西川純

なぜやるのかを考えるのが重要

カリキュラム・マネジメントを理解するためには、アクティブ・ラーニングを理解しなければなりません。なぜなら、アクティブ・ラーニング、またはその視点に立った「主体的・対話的で深い学び」を実現するためにカリキュラム・マネジメントがあるからです。

教育の世界では何かがあると「どうやるの」を知ろうとします。それ故、世にあるアクティブ・ラーニング本、カリキュラム・マネジメント本の圧倒的大多数はそれに応える本です。しかし、本当に大事なのは「なぜそれをやるの」という疑問なのです。それが明らかになれば、方法は自ら定まります。

今回の答申に先立つ大学改革に関わる中央教育審議会の答申、また、教育再生実行会議の提言を読めば、少子高齢化し国内市場が縮小する日本の生き残り策であることは自明です。働き手が少なくなる日本が現状を維持発展するためには、一人一人の生産性を上げなければなりません。

それを実現するためにスーパーグローバル大学創成支援事業を始めたのです。高校におけるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)もその一連の流れの中にあります。

PISA型学力の高さに示されるように日本の教育は中堅層の厚みを生み出しました。一方、新たな産業を生み出す人材の育成は米国に遠く及びません。例えば、ノーベル賞受賞者の人数は米国が飛び抜けており、その多くはアイビーリーグといわれる名門大学の卒業生です。

日本のスーパーグローバル大学創成支援事業とは、日本のトップ大学をアイビーリーグ化することなのです。

アイビーリーグでは教師が板書し、発問するような講義をしません。事前に膨大な書籍や資料を指定し、それを読み込むことを求めます。講義では、その道の研究者が研究していること、つまり現在答えがない問題を出し、学生同士が議論するのです。そこで研究者がうなるような意見を出せれば高成績になり、黙っていれば落第するのです。当然、このような教育に耐えられる子供は多くありません。だから、入試改革が必要なのです。

つまり、ちまたでいわれている「今までの延長上の話し合い活動」とは、全く違うのです。

詳しくは『アクティブ・ラーニング入門』(明治図書)、『2020年 激変する大学受験!』(学陽書房)をご覧ください。

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