PDCAサイクルは回っているか? 忙しくするだけの改革から新時代の改革へ(3)マネジメントサイクルは回っているか その3

元東京都立西高等学校長 石井杉生

私の失敗例で恐縮だが、校長1年目、学校経営計画を「学習指導」「進路指導」「生活指導」などの項目立てで策定し、職員会議で説明した。しかし年度末に各教員と面接したところ、学校経営計画を十分に理解した上で業績評価の自己評価を行っている教員はほとんどおらず、ショックを受けた。

実は前年まで教育行政にいたため、私自身が学校経営計画を策定するのが初めてで、計画の書式をよく研究していなかったせいでもある。

なぜ、学校経営計画が先生方に受け入れられないのかを考えたところ、自分が何をやらなければならないのかが明確に伝わっていなかったと気付いた。「学習指導」や「進路指導」「生活指導」は、教務部や進路部、生徒部が行うことと、全員で行うことが混在しており、それぞれの教員に何を行えと言っているのかが、正しく伝わっていなかったのである。

一方、新入生の保護者に、本校に入学する以前に「学校経営計画」を読んだことがあるかを尋ねたが、PTAの役員になった約50人の保護者は誰も読んでいなかった。つまり、学校経営計画は、内部の人(つまり教職員以外)には読まれていないことが分かった。

そこで、学校経営計画の書式を対教職員用と対入学希望生徒保護者用の二つに分割することにした。つまり、「学習指導」「進路指導」などの項目立てで学校の指導の特色を示すものは、学校説明資料として、外部の一般の方に見ていただく形式にした。

教員に見てもらう学校経営計画は、「学校全体」「各教科」「学年」「教務部」「生徒部」など、校務分掌が主軸の項目立てにした(次回に例示)。

「学校全体」が3本の目標で、それ以外は原則1本の目標にした。その結果、教員一人一人が実行しなければならない学校経営計画を、学校全体の3本と、各教科の1本、教務部など校務分掌の1本の計5本のみとなるようコンパクトにした。

これらを一覧化するとA3判となるが、個々の教員が実践する必要がある項目は6項目であるため、結局A4判1枚以下の分量となる。これだけすっきりすると、やったかやらないかが明確になる。

しかも、管理職が進行管理するのは学校全体の項目だけで、「学年」や「教務部」、「生徒部」などの校務分掌は、それぞれ分掌の主任が進行管理することになるので、業績評価も非常につけやすくなった。

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