複雑化する学校トラブル スクールロイヤーの役割(2)大阪府のスクールロイヤー制度の概要

大阪府教育庁のスクールロイヤー制度では、大阪弁護士会、子どもの権利委員会所属の9人の弁護士がスクールロイヤーとして活動している。

大阪府下7地区ごとに開催される年数回の相談会、生徒指導研修会の相談、重点市町村の月1回の定期相談、学校や教育委員会からの緊急支援要請に基づく相談、学校におけるケース会議への出席、教職員や子供向け研修の実施などさまざまな形で相談や支援活動を展開してきた。

これまで年平均100件以上の相談を受けている。

1回の相談やアドバイスで終了することが多い。しかし、困難なケースで継続的に相談を受けることも珍しくない。

相談内容も、困難な保護者対応事案、深刻な問題行動事案(暴力、いじめ、性暴力など)、学校事故など学校の法的責任や保護者間の損害賠償責任が問題となる事案がある。

一方で、少年事件化し司法との連携が必要になった事案、リスクの高い児童虐待事案、体罰やスクールセクハラ事案、個人情報の開示請求に関する事案がある。

さらに、親権や監護権を巡る親や親族間の紛争に絡む事案、子供の自殺事案や重大な少年事件など、危機管理対応が求められる事案が多岐にわたっている。

スクールロイヤーは、学校や教育委員会の代理人や代弁者ではなく、SSWやSCなどの専門家と「チーム学校」との一員として、学校や教師のサポートを通じて、最終的には、子供の成長発達にとって重要な場所である学校教育の安定を図り、子供の最善の利益実現を目的にしている。

学齢期の全ての子供(その家族も)が学校に在籍しているため、学校で起こる問題は、本当にさまざまで、実際にさまざまな学校の活動や場面で法的な知識や視点、安心・安全環境の確保や権利保障の視点、適正手続や危機管理の視点、合理的な関係調整や紛争解決のスキルが求められることが少なくなく、弁護士に対するニーズは非常に高い。

そのため、SSWの普及と同様に文科省のモデル事業化がきっかけになって、全国に広がる可能性が十分にあると思われる。

連載では次号以降8回にわたって、大阪府の各スクールロイヤーからその具体的な取り組みを紹介してもらうので、関心を持ってお読みいただければ幸いである。

(弁護士・峯本耕治)

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