カリキュラム・マネジメントとは何か?(6)想像力で切り開くこれからの教育

上越教育大学教職大学院教授 西川純

追い詰められる教師たち

追い詰められているのは子供ばかりではありません。教師もです。

学校の教師教育の低下です。十数年前から、少子化対策として急激に採用を減らしました。ところが最近になって、少人数対策と大量退職に対応するため急激に採用を増やしています。結果として、教職員の年齢分布は、フタコブラクダのような分布になっています。

さらに、交通の便利な学校の場合は異動したがらず、結果としてベテランが多い学校になります。不便な所は新規採用者で補充するため、若手が多い学校になります。結果としてヒトコブラクダのような年齢バランスになります。

年齢分布がフタコブラクダの職場では、ベテランが若手を教えることになります。

しかし、教え込むという形になり、若手は抑圧される印象を持ちます。結果として、煙たがります。

一生懸命教えたのに煙たがられたベテランは、「今の若いやつらは」と考えはじめます。年齢分布がヒトコブラクダの職場では、最初は仲が良いのですが、似た者同士の「突っ張り合い」で問題が起き、人格否定まで進む危険性があります。結果的に相互不可侵で落ち着きます。

私が教師だった20年以上前には、職員室の横にお茶飲み場があり、そこでいろいろな話ができました。

職場だった高校では、新任教員の私を飲みに誘いおごってくれた先輩教師がいっぱいいました。今はどうでしょうか。

ベテランの先生は「今の若いやつらは、付き合いが悪い」と愚痴を言います。でも仕方がありません。飲みに行ってもつまらないのですから、付き合わないのです。私は週に1回以上は先輩と飲みに行きました。
理由は楽しいからです。それは個々人の問題ではなく、年齢バランスの問題なのです。

学校でも手の抜き方があります。私は先輩からそれを教えてもらいました。あうんの呼吸で管理職も黙認していました。自分もやっていたことだからです。しかし、今、これが崩れています。

働き方改革で最も効果があるのは、教師集団がチームになることだと私は思います。

詳しくは、私の著書、「2030年 教師の仕事はこう変わる!」(学陽書房)、「教師がブラック残業から賢く身を守る方法」(同)をご覧ください。