PDCAサイクルは回っているか? 忙しくするだけの改革から新時代の改革へ(6)マネジメントサイクルは回っているか その6

元東京都立西高等学校長 石井杉生

前回、学校経営計画では「目的」と「手段」が混在しており、明確に区別されていないことを課題にした。今回は、学校のビジョンを目的と手段に区分して示した私の実践例を紹介する。

都立西高校では、長年「自主・自律」を学校の目的・目標の一つとしてきた。この自主・自律を学校の目的・目標に掲げる学校は非常に多いと思う。しかし、この自主性・自律心をどのように育てるかに言及している学校はあまり目にしない。

正直に言うと私はこの「自主」という言葉があまり好きではない。というのも、「自主性の尊重」という美辞麗句の下に、生徒たちを指導しない教員たちを見てきたからである。放っておいて自主性が育つと思わないが、反面、親に必要以上に依存している子供たちの自立が遅れている現実があることも感じている。

自主性を育成するには、学校が主体的に決めて生徒にやらせる部分と、一定程度を生徒に任せる部分の両面性が必要だと考えた。これらをまとめたのが図の学校ビジョン「自主・自律(主体性の育成)」である。

「学習指導」「進路指導」「生活指導」「特別活動」の4つの柱は、学校の取り組みを特徴付けるものである。その右側に記述した「指導」と「主体性」が、自主性をどのように育てるかを模式的に示したものである。

「学習指導」など、上にいくほど学校が指導する部分が多く、生徒の自由度は低くなる。逆に、下の「特別活動」にいくほど学校が指導する部分が少なくなり、生徒に任せる部分が多くなる。

事実、西高校の場合、学習指導に関してはほとんどの部分を学校が主体的に決め、自信を持って生徒にやらせていた。教育課程には、ほとんど生徒の自由選択がなく、週時程も7時間目授業が3回ある。

これに反し、学校行事は、基本的に生徒が実行委員会組織をつくり、企画運営する。学校は、このビジョン通りに実践している。