PDCAサイクルは回っているか? 忙しくするだけの改革から新時代の改革へ(8)マネジメントサイクルは回っているか その8

元東京都立西高等学校長 石井杉生

前回は、D(実行)段階の課題として、ジョブアサインメントが明確でない点を挙げた。今回は、C(検証)段階の課題について考えてみたい。いわゆる学校評価である。

学校評価については、学校教育法第42条で「小学校は、文部科学大臣の定める所により当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、(以下略)」と定めている。43条では「当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を積極的に提供するものとする」としている。

この規定は、小学校だけでなく、中学校や高校などへも準用されている。文科省も学校評価ガイドラインを発表し、学校評価の必要性だけでなく、学校改善に向けた、学校評価の具体的な在り方まで示している。今回の新学習指導要領の改訂のポイントの一つにも、「カリキュラム・マネジメント」があり、学校が組織的、計画的に学校教育の改善に取り組むことの重要性を強調する。

都立学校の場合は、全校生徒とその保護者を対象にアンケートを実施。地域住民や学校関係者(保護者、同窓会、町内会の代表、社会教育機関などの方々)を対象にした第三者による学校評価アンケートも実施している。

アンケート項目も学校教員だけでなく、外部の人を交えた学校評価委員会が決定する。アンケートの集計に基づく分析は外部委員から成る学校運営連絡協議会の場で発表され審議する。その結果、学校はよくなっているかどうかの結論を示し、学校評価結果とその分析概要を学校要覧に掲載するようになっている。

外部への公開が原則の学校評価なので、校長としては、それなりに気を使う取り組みだが、実は外部の人だけでなく、入学を希望する生徒の保護者も、あまりこの学校評価の結果は知らない。実は、入学した生徒の保護者に、入学前に本校の学校評価結果を知っているか尋ねたことがあるが、ほとんどの保護者は知らなかった。

西高の場合、生徒の入学満足度は90%以上、保護者の入学満足度は95%以上と非常に高評価だったので、このアンケート項目を広報活動では使った。ただ、その他の項目があまり外部に知られていないことに気付いた。

当時の集計は手作業だった。担当者が冬休みに自宅に持ち帰り、年末年始の空き時間を利用し集計してくれていた。生徒と保護者のアンケートが合計1600枚程度。それぞれにアンケート項目が20近くあり、合計で3万2千項目を集計することになる。この膨大な集計時間も課題の一つであった。