カリキュラム・マネジメントとは何か?(10)想像力で切り開くこれからの教育

上越教育大学教職大学院教授 西川純

「学び合い」を一緒に

私の教師としての原体験は、最初に勤めた定時制高校です。学力的には最底辺で、分数の計算ができない生徒が多数を占める学校でした。生徒の中には暴走族とそのOBやOGも多数いました。そんな生徒たちに物理を教えたのです。当然、駄目でした。

ただ、先輩教師には恵まれました。先輩たちに慰められ、教えられて教師として成長することができました。しかし、どこまでやっても全員の生徒に学習内容を理解させることはできませんでした。私がしたのは、全生徒を分かった気にさせることです。これはできました。なぜなら、生徒の多くは「分かる」感覚を体験していないからです。生徒に「お前は分かっている」と言えば、生徒はそう思っていました。

生徒たちが抱えている業の深さと重さを知ったとき、私はおののきました。……

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