学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(4)遠隔合同授業の法整備

授業設計をどうするか、時間をどう調整するか。その実際はさておき、遠隔合同授業はどんな条件でも実施できるのか――。現在、小・中学校では、基本的に現行の制度的な枠組みに従って遠隔合同授業を実施しているが、高校では遠隔合同授業に向けた法整備を進めている。法整備は、今後どの校種でも、参考情報として議論の土台になる可能性があるため確認しておきたい。

通知「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行について」(2015年文科省第289号)では、高校での「多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる授業」(メディアを利用して行う授業)について書かれている。この省令により、高校などでは、メディアを利用して行う授業ができるとした。

ただ、それには条件がある。一つは、時間制限として、修得単位数74単位のうち、36単位以下と定めていること。もう一つは、対面で行う授業に相当する教育効果を有することだ。そのため、「同時かつ双方向的に行われるもの」「対面で行う時間を相当数行う」が前提条件となる。

遠隔合同授業を進めるのなら、特に「対面で行う授業に相当する」ことが授業実施上の課題となる。そのため、まず、対面で行う授業の時間数が決められている。紙幅の都合で詳細の記述は避けるが、例えば、国語、地理歴史、公民、数学に属する科目は、メディアを利用して行う授業1単位につき対面は1単位時間(50分)以上などと設定されている。

配信側だけではなく、原則、受信側にも教員を配置すべきともしている。対面で行う授業に相当した教育効果を上げるべく、▽教員と生徒の双方向性を保障する▽黒板の文字が見えづらいといったことが予測される場合は、プリントなどの教材をあらかじめ準備する▽受信側の教室に、必要に応じてシステムの管理・運営を行う補助員(ICT支援員)を配置する――などの配慮が示されている。

これらを見ると、遠隔合同授業の実現には、多くのハードルがあるのが分かる。授業の質を保障するためにどれも重要な点だ。

連載の後半では、小・中学校で進めている遠隔合同学習の事例を取り上げる。高校を除き、詳細な授業上の工夫は、対面で行う授業に相当するため、学ぶところは多い。

(寺嶋浩介・大阪教育大学准教授)

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