横浜国立大学教育学部博士・高野陽介
施設・設備の充実は、肢体不自由者と学校にとって、最も重要な基礎的環境整備と合理的配慮である。筆者自身、高校進学の際、バリアフリー設備の整備状況を重視して学校を選択した。その中で施設設備が整っていないことを理由に入学を断られるケースもあった。
筆者は、2015年度に全国の全日制、定時制課程の高校4939校に調査を実施した。施設・設備面の整備状況では、回答した全1536校で「階段の手すり」が72.7%と最も整備が行われていた。
続いて「障害者用トイレ」が68.7%、「段差解消のためのスロープ」が55.3%という結果だった。……
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