学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(5) 遠隔合同授業を支える技術

私たちもテレビ会議を仕事で使うのが一般的になってきた。家庭でも、遠く離れた実家の両親に孫の顔を見せている人は多いだろう。テレビ会議はひと昔前、なかなかスムーズにいかないこともあったが、技術の進展と共に悩みも減ってきている。環境整備により、「遠隔合同授業の敷居はそう高くない」とお考えの方が多いかもしれない。

ただ、授業の実施となると格段に難しくなる。先ほど挙げた例は、少人数のコミュニケーションである。会議でも、多少の工夫や少しの我慢で乗り切ることができる。

一方、遠隔合同授業では、「対面の授業に相当する」ことが条件になる。普段行われているのと同等のことができるようになるには、それなりのテクノロジーと配慮が必要になる。授業の実施には、まだまだコストがかかると認識する必要がある。

それでは、遠隔合同授業では何に配慮すればよいのか。文科省の委託事業で出版した「遠隔学習ハンドブック」をヒントに考えてみたい。

機器や人の配置例

まず、最低限必要なのは、会議システム、カメラ、マイク、スピーカー、提示装置である。

専用カメラには、マイクなどを用いるタイプと、テレビ会議用ソフトウェアをPCに入れ、カメラを接続するタイプに分けられる。両者はそれぞれ一長一短、メリット・デメリットがある。実現したい遠隔合同授業のイメージを考えて何を導入するか考えたい。

これらの機器は、休み時間に、簡単にセッティングできるものではない。トラブルを避ける意味で、利用する教室と機材を固定し、スイッチオンでスムーズに開始できることが理想だろう。

「対面授業に相当」とはどう考えればよいのか。45~50分間、教員が話し続ける授業はありえないだろう。各学校の配慮や工夫はさまざまである。例えば、▽各地の電子黒板に記載された内容を同期▽互いの学校の子供の顔を見られるようにして議論▽遠隔グループ学習の交流手段としてタブレット端末を用意――などだ。

教員が授業に集中できるようにICT支援員が配置されている所もある。教員が負担なく授業に取り組める環境を用意する必要がある。こうした環境整備には、行政がどのような態度で遠隔合同授業に取り組もうとしているかが透けて見える。

(寺嶋浩介・大阪教育大学准教授)