学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(6)最近の実践例(1)離島の学校を結ぶ

長崎県は、離島の数が日本一の都道府県である。離島では、これまでもさまざまな遠隔地と結んだ教育の取り組みが行われてきた。行政無線などを使った広域教育工学総合システムのNIGHTシステムは、昭和40年代に誕生。遠隔地との教育の礎を築いた。人口減少社会の中、離島の小規模学級を含んだ全ての子供たちに「主体的・対話的で深い学び」を実現する遠隔合同授業が求められている。

そこで今回は、長崎市の小学校同士をつないだ遠隔合同授業の取り組みに触れたい。

同市には、世界遺産の端島(軍艦島)がある。そこから最も近い有人島の高島には、島内唯一の小学校の高島小学校がある。遠隔合同授業は、この高島小と交流実績がある市本土の西坂小と高島小で行った。

高島小と西坂小を結んだ外国語活動の遠隔合同授業

両校の遠隔合同授業は、主に外国語活動で実施した。教師たちは「西坂小の全児童18人と高島小の全児童2人による授業ではない。20人で授業をする」と宣言。あたかも2校の児童が一つの学級にいるような一体感がある遠隔合同授業を目指した。

テレビ会議システムを使った実践では、子供たちと同じ目線でカメラを設置。両校の子供たちが共に一斉授業を受ける雰囲気を作り出す工夫をした。カメラは、教師ではなく高島小の児童が操作した。児童はリモコンを手に、自分が見たい部分に焦点を当てたり、ズーム機能を使ったりと、子供の主体性を大切にした学びが展開された。

テレビ会議システムを使った児童同士の対話では、高性能マイクの使用で周囲の雑音を拾い過ぎる課題があった。そのため、ダンボール箱の中にマイクを入れて雑音を遮断させる工夫をした。タブレット端末を使った実践では、端末のカメラで児童に遠隔地の周辺状況を把握させた上で、目隠しした子に英語で進行方向を指示する活動があった。遠隔合同授業では、児童同士の対話的な学びが実現されていた。

一部しか紹介できなかったが、さまざまな実践が全国で共有されている。日本の教育全体が新しい学びに向かうことを期待したい。

(倉田伸・長崎大学准教授)