これからの医療的ケア ―実態と課題から捉える(9)看護師と教員の協働

東京都立光明学園統括校長 田村 康二朗

医療的ケアが新たなステージを迎える中で、看護師と教職員の協働が重要な役割を担うのは明らかである。これを展望するため、看護師との協働システムを考えたい。

学校の医療的ケアは「治療」ではなく、「健康観察、健康管理、健康指導」の視点が重視される。医療的ケアの今日的意義である「きめ細やかな健康観察や日常の健康管理の徹底」も考慮したい。

学校で医療的ケアを実施することの成果に、児童生徒の生活リズムが安定し欠席日数が減少した点や、児童生徒の健康観察の継続によって健康管理に役立つようになったことなどが挙がっている。加えて、教員の医療的ケアに対する知識や技能の向上、児童生徒の健康観察を継続的に進めることで記録が蓄積される点、体調悪化の前兆の把握と早期対応が可能になった点についても、成果が出ている。

病院と学校の医療の捉え方の違い

健康観察をする際の手掛かりにする指標に、体温、脈拍、呼吸数のバイタルサインチェック、顔色、表情、皮膚、尿、便、たん、喘鳴(ぜんめい)などがある。

きめ細やかな観察やパルスオキシメーターといった器具の適切な活用手法も確立されている。平常時の状態を把握しながら、異なる状態に気付き、変化を発見できるようにしている。これらは、肢体不自由特別支援学校の看護師と教員との協働で得られた大きな財産だと言える。

看護師と教職員の目で児童生徒の学校生活を見つめ観察する状況づくりは、今後ますます重要になると考える。児童生徒の健康観察や健康管理は、看護師とのより良い協働体制を確立する際のポイントになる。

看護師との連携については、表のように病院と学校の医療の捉え方の違いを確認する必要がある。病院では治療の優先という観点が推測されるが、学校では児童生徒の生活の質の向上、すなわち、児童生徒の体調安定という土台の下、授業をし、子供の成長の確保を優先する。

こうした基本理念の違いをしっかり押さえる中で、真の協働が生まれる。