クオリティ・スクールを目指す(134)各学校が実効性のあるカリキュラムを

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

防災を含む安全に関する教育

今年、日本列島は立て続けに大きな災害に見舞われた。特に「平成30年7月豪雨」と言われる西日本の災害や、9月に近畿地方を襲った台風21号、そして北海道胆振東部地震など、多くの死者を含め、その後の復旧の困難さなど災害の恐ろしさは思い知らされている。さらに今年の夏は酷暑と言われるほど暑い日が続き、学校の熱中症対策やクーラー設置、夏休みの延長などが大きな話題になった。

こうした災害は今後も、どの地域と言わず発生する可能性が大きく、誰もが身の安全を守る手だてを必要としている。特に学校は防災を含む安全指導をどう行うかが重要な課題である。

それは子供の頃から身につけていたい防災と安全に関する知識と行動力であって、それをどう教えるか、が学校に要請されている。

そのことで文科省が新学習指導要領の『総則編』(小学校)として「解説」書を発行しているが、それが一つの参考になる。

それは「資料」として提示されているものであるが、「現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容」とされるもので、たくさん課題がある中で、「防災を含む安全に関する教育」が小・中学校別に載っている。「資料」の特質は、「防災・安全」の指導内容を、学習指導要領の教科等からそれぞれ具体的な文言を拾いあげているもので、例えば小学校の場合、「総則」「体育科」「家庭科」「特別活動」「特別な教科 道徳」「総合的な学習の時間」「理科」「社会科」「生活科」「図画工作科」からの引用である。

普通の授業であれば、各教科等でバラバラに教えることになるが、それぞれの内容を重ねあわせてみると、より効果的に深い学びができるようになっている。

それはクロスカリキュラムによる「防災と安全」のための教育であるが、学校として地域の実態に応じた自校固有のカリキュラムを作成する必要があると考える。地震や台風、津波等の多様な災害への防災対応はかなり異なるからである。

そして重要なことは、地域においても防災や安全への多様な取り組みがすでに考えられているであろうから、それらと統合させた自校固有のカリキュラムづくりである。また、カリキュラムづくりに地域の関係者が参加するなど、実効性の高いものを考えたい。

そのカリキュラムは災害が起きたことへの対応のみでなく、その後の復興への道筋において考えたい事柄を含む。災害と復興を巡るビデオ等の活用は子供の認識をさらに深めてくれるであろう。

災害列島日本の構造は中学校などで教科を通して深く学ぶ機会があるが自分の行動を確かなものにするために、地域での防災・安全意識を十分学ぶ機会をつくりたい。