高校ALのタネ ― アクティブな学びを育てる学校経営論(1)アクティブラーナーへの覚醒

茨城県立並木中等教育学校校長・中島博司

人は一生の中で大きく変容する瞬間がある。2015年夏、私はアクティブラーナー(能動的学習者)に覚醒した。

その年の4月に茨城県立牛久高校の校長に着任し、大きな机と本箱を前に「研究ができる」と直感した。そして、「アクティブ・ラーニング(以下AL)」「新学習指導要領」「新テスト(大学入学共通テスト)」の研究に着手した。

手始めにその夏、東京で開催されたALのセミナーに参加した。そこで藤原和博氏(前奈良市立一条高校校長)、小林昭文産業能率大学教授、羽根拓也(株)アクティブラーニング社長のプレゼンテーションを聴き、アクティブラーナーに目覚めたのだ。

その後、ALに関する書籍の乱読やセミナー参加、実践校の授業参観を重ね、ALに関する研究を精力的に進めるとともに、校長会、教頭会、教務主任会、各高校などで研修会講師を務めるようになった。

16、17年度には、全国高校長協会の教育課程研究委員長として、ALに関する全国調査を実施。全国協議会や「会報」で発表した。18年5月には、さいたま市の大宮ソニックシティーホールで開催された「全国高等学校長協会総会・研究協議会」で、約2500人の校長を前に、「アクティブ・ラーニング2018」と題した発表の機会に恵まれた。

私は、前述の通り15年4月に校長になり、自校の授業改善のためALの研究を始めた。次年度には茨城県立並木中等教育学校に異動し、研究を継続するとともに、ALに関して自ら考案した手法を教育関係雑誌や研修会などで発信している。

現在、ALは新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」と表現されているが、私はあえて「AL」を使い続けている。それは、ALすなわち「アクティブ・ラーニング」という言葉が存在したことで、15年からの3年間で高校の授業が大きく変化したと実感しているからである。ALという「言葉の力」を信じているのである。

この連載は「高校ALのタネ」と題した。それは、私自身が「種まく人」としてALを広める努力をしてきたからである。全10回の連載になるが、お付き合いいただければ幸いである。

連載の第2回では、現在に至る萌芽(ほうが)として、私の高校、大学、初任校の時代にさかのぼる。第3回では、私が教諭時代に開発した「スーパー日本史ノート」について触れる。第4~9回までは、ALに関して私が考案した「AL指数」「R80」「TO学習」などを紹介する。最後の第10回でまとめとしたい。

この構成案を教育新聞の担当者に伝えたところ「スターウォーズのようでいいですね」と言われた。次回、高校時代にさかのぼる「エピソード1」をお楽しみに。