これからの医療的ケア ―実態と課題から捉える(10)学校の医療的ケアに関する検討会議

東京都立光明学園統括校長 田村 康二朗

連載の初回で述べたように、現在、医療的ケアの検討会議が5年ぶりに文科省に設置されている。

「医療的ケア児」については、2016年6月の児童福祉法の一部改正で法律上初めて定義付けられ、支援体制の整備が地方公共団体の努力義務とされるなど、一層の支援が求められている。学校では、関係法の一部改正により、12年より一定の研修を受けた教員などがたん吸引などの医療的ケアを実施できるようになった。それを受け、文科省の通知で示された基本的考え方に基づき、医療的ケアが実施されている。

そこから5年を経て、人工呼吸器の管理をはじめとした高度な医療的ケアへの対応や訪問看護師の活用など、新たな課題も出ている。このため、今後の学校での医療的ケアの在り方を、実績や課題などを踏まえ、検討することになった。

医療的ケアの検討会議

会議での検討事項は、①学校における医療的ケアの実施体制の在り方(教育委員会における検討体制の在り方、教委・学校と主治医などの責任分担の在り方、医療機関・訪問看護事業者に委託する場合の責任や役割分担の在り方)②学校において人工呼吸器の管理など特定行為以外の医行為を実施する際の留意事項(人工呼吸器の管理などの特定行為以外の医行為に関する標準的手順の整理、校内における支援体制整備や学校外の関係機関との連携体制、緊急時の対応のポイント)③学校において実施できる医療的ケアの範囲の明確化④校外学習や宿泊学習など学校以外の場で医療的ケアを実施する際の基本的考え方の整理⑤看護師が学校において医療的ケアに対応するための研修機会の充実――など、多岐にわたる。

第4回会議で、私は教員代表として全国の特別支援学校長から集約した現状と意見を基に、以下を陳述した。

意見は、①全国の学校で医療的ケアが学校対応できるシステムの構築が必要②医療の進歩や社会状況の変化に応じて毎年度対応範囲を改訂できるシステムを③看護師の養成・求人段階から「学校で働くやりがい」を実感できるようにする④指導的看護師や養護教諭、担当教員などの役割と経験に応じた研修体系の構築⑤医療的ケアが必要な子供たちの存在や医療的ケアの大切さに関する啓発活動の実施――についてだ。

今後、検討会議の議論は佳境に入る。人工呼吸器の管理、校外学習や宿泊学習など、学校以外の場で実施する際の考え方の整理の検討が控えている。年度末には、検討結果のまとめが公表される見込みだ。

(おわり)

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