肢体不自由生徒の観点から見る~高校の特別支援教育(9)進路指導の改善に向け

横浜国立大学教育学部博士・高野陽介

肢体不自由の生徒は、高校に入学するまでにさまざまな問題に直面するが、卒業後を含んだ出口の支援にも課題はある。「進路指導」では、肢体不自由の生徒と保護者が共に、さまざまな悩みや不満を抱えている。

高校に進学した肢体不自由の生徒がいる110世帯への調査では、高校卒業後の進路について「大学・短大」の進学希望者が約7割を占めて最多だった。次いで「就職」「専修・専門学校」という結果になり、このいずれかで進路を選択する傾向が見られた。

このような状況下で寄せられる進路指導の要望には、進学や就職に関する情報提供や具体的な指導、進路指導を担当する教員の姿勢などの指摘がある。

進学希望者からは、「障害のある生徒の大学進学に関するノウハウも持ってほしい」「情報がなくても一緒に進路を悩んでほしかった」との声が寄せられた。

就職希望者からは、「就職先も見つからず、具体的にどう対応したらよいか分からず非常に困った」「健常者と同じような進路選択では、一般的な就職は難しかった」という意見が出ている。進路指導が十分に行われないことによる、高校卒業後の進路選択の難しさが指摘されている。

ただ、肢体不自由の生徒が在籍していた高校の教員も進路サポートの難しさを実感している。

例えば、大学進学では、「一方的に入学を断られる大学がある。逆に入試の対応を丁寧にしてくれる大学もある。おのおので対応が違うのは困る」「大学もどう対応してよいか戸惑っているようだ。最終的に対応に慣れている教職員が入学試験を支援することになった」と述べている。大学によって入学試験の対応にばらつきがあり、苦慮している。

就職では、「働けるような環境をつくってほしい。会社は利益を追求する必要があるという意味で厳しいかと思うが、介助があれば働ける人もたくさんいる」や「教育と就職のつながりが乏しいのが一番の問題」との意見も出る。

教員も社会全体で障害者雇用への理解が必要だと認識している。

高校の進路指導では、教員の障害に関する知識や理解の向上とともに、指導の在り方にも合理的配慮を踏まえた改善が大切である。

その上で、大学や専門学校、行政や一般企業など、高校卒業後の進学先や就職先の障害への理解と支援体制の構築が一層求められる。