校長のパフォーマンス(91)校長は授業のよい目利きになる

eye-catch_1024-768_takashina-performance教育創造研究センター所長 髙階玲治

全国学力・学習状況調査は質問紙による学校調査も行っている。その中で特に目についたのは校長の授業見回りである。「校長は、校内の授業をどの程度見て回っていますか」の問いに小中学校とも「ほぼ毎日」が平成20年度以降、毎年増加を続けていて、今年度は小が70.2%、中が46.8%である。 調査を開始した20年度はといえば、小は38.3%、中は25.5%であった。現在はほぼ倍近くになってきたといえる。また、「月に数日程度」や「ほとんど行っていない」は現在では数が少なくなっているが、20年度当時は小が22.4%、中が34.9%もみられた。校長の授業への関心の高まりは、学力向上とともに教員個々の授業力向上への期待がみられるであろう。ただ、この調査では「授業をどの程度見て回っていますか」ということで、よく校長にみられる廊下沿いに教室を見て回る程度なのか、人事考課の一環として授業観察して事後に面談を行っているのか、よくわからない。 期待したいのは、事後面談も含めて授業のアドバイスを校長が積極的に行ってほしいことである。教員は誰もが授業力を向上したいと思いアドバイスを得たいと願っている。そのアドバイスを有効に行うために、校長は「授業のよい目利き」になるべきである。授業参観を多く行えば、教員個々の授業スタイルがよく見えてくる。 特に「主体的・対話的で深い学び」が言われていて、教員の関心が高いが、実態としてはそれぞれをどう実施するか、悩みを抱えていることは多い。実際授業で、例えば「主体的な学び」を展開しようとしても子供自身に学習課題に向けてどう意欲づけするか、「導入が勝負」とわかっていても、その段階から難しい。そこで、もしも校長が授業参観でよいアドバイスをしてくれたら、こんなよい機会はないと言える。授業面談は重要である。教員もまた研修の機会や自己努力によって授業力を高めようと考えている。授業改善のポイントを知ることは願ってもないことであろう。 今回の学校調査では「授業の見回り」は多かったが、「平成29年度学力調査の自校の結果について、調査対象学年・教科だけでなく、学校全体で教育活動を改善するために活用しましたか」という問いでは、「よく行った+行った」は90%を超えるが、「よく行った」のみでは小42.5%、中33.2%と前年度よりも1ポイント程度低くなっている。実は「よく行った」は24年度からで、27年度以降になるとほとんど変わらなくなるのである。 「よく行う」ことが難しい、という要因があるとすれば、校長は「授業の見回り」と結びつけて教育活動に生かす方策を考えてみてはどうであろうか。「授業のよい目利き」がカリキュラム・マネジメント改善に発展できそうである。