高校ALのタネ ― アクティブな学びを育てる学校経営論(4)AL指数で授業をメタ認知

茨城県立並木中等教育学校校長・中島博司

2016年1月、アクティブ・ラーニング(AL)について、次のようなことを考えていた。⑴AL型授業が形だけになってはいないか⑵アクティブラーナー(能動的学習者)の育成という目的に向かっているか⑶ALか講義かという二項対立的な議論になっていないか⑷ペアワークやグループワークで学力は向上するのか――というものだ。

私は15年を「高校AL元年」と名付けた。同年には、産業能率大学の小林昭文教授の「アクティブラーニング入門」(産業能率大学出版部)をはじめ、多くのAL関係書が出版された。事実、同年からALの取り組みをスタートさせた高校が多い。当時校長をしていた茨城県立牛久高校も、現在校長をしている並木中等教育学校もスタートは同年だった。

年が明けた16年を「高校ALセカンドステージ」と名付けた。しかし、全国の様子を聞くと、冒頭で述べた四つの課題があると感じていた。「種まく人」として何かできないかと模索した。

その年の3月、⑶の課題に対して「AL指数」を考案した。ALの実施率を示す指数である。例えば、50分授業でALが5分間なら「AL10」、ALが10分間なら「AL20」になる。私は高校で「日本史」を教えていたので、指導内容の多さをよく知っていた。知識伝達型の講義の大切さも理解している。よって、ALと講義の二項対立ではなく、ALと講義を両方実施するハイブリッド型で進めることを提案したかった。

この「AL指数」は、授業をメタ認知する指標にもなる。自分の授業を客観的に俯瞰(ふかん)的に見ることで授業改善につながると考えた。

研修会などでは、よく「高校でどのくらいALをやればいいか」と聞かれる。私は、ずばり「AL5~20」と回答している。この意図は「毎時間少しでもALを入れた方がいい。ただ、最初からあまり無理しない方がいい」というメッセージである。AL5とは、ペアワークなら2回程度である。「AL指数でカウントするALとはどのようなものか」という質問もある。

「その教師が目的を持ち、ALと考えて実施しているものはカウントしていい」と回答している。

ALには数多くの手法があるが、大切なのは目的である。目的は、アクティブラーナーを育成することである。教師が江戸時代の薬箱のように、ALの手法をいっぱい持ち、その単元、その日の状況などに応じて最適な手法を使うとよい。授業をモジュール化し、1時間の中で複数の手法を使うのが理想である。最初から無理しない方がいいと述べたが、楽しくなってきたら「AL20」を突破していいのである。

今回は「AL指数」について述べた。次回は「R80」の登場である。私が考案し、全国に広がっている「R80」の秘密についてお伝えする。お楽しみに。

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