高校ALのタネ ― アクティブな学びを育てる学校経営論(6)広がる「R80」

茨城県立並木中等教育学校校長・中島博司

「並木中等教育学校だから『R80』ができるのではないか」という意見をよく耳にする。実はそうではない。現在、「R80」は全国各地の学校などで多く活用されている。今回はそのことを述べる。

本校は、2016年の春から「R80」の活用を始めた。今は「R80」が、授業や行事の振り返りで当たり前のように使われている。プロトタイプの用紙を使う教師は少なく、プリントの最後に80マスの原稿用紙を付けている場合が多い。生徒は1~2分で一気に80字を書き上げている。外部模試などの結果を見ると学力も確実に伸長していることが分かる。これはアクティブ・ラーニング(AL)や「R80」によって「相手の主張の筋道を読み解き、自分の考えを整理して伝える力」としての「論理力」が養われた結果だと考えられる。

ALを学力向上につなげるため考案した「R80」だったが、多方面で使えることも分かった。ある小学校の校長からは、1年生でも「つなぎ言葉」を使って実施できると聞いた。卒業後の就職希望者が多い高校では、生徒たちが「R80」を使って自信を持って文章が書けるようになり、喜んでいるという報告もあった。就職のための志望理由書や各種作文が上達したそうである。

「R80」を書く生徒

17年8月には、構成的グループエンカウンターの振り返りに最適ということで「月刊学校教育相談」(ほんの森出版)に「R80」の取り組みを紹介した。一般企業における実践例も出てきた。その会社では、社内メールに「R80」を応用したそうだ。「結論」+接続詞+「主要因」でメールを書くルールにしたところ、伝達事項が明確になった。業務の効率化による「働き方改革」にもつながったそうだ。

連載の第1回で書いたように、18年の5月23日に、大きな舞台で発表する機会に恵まれた。全国高等学校長協会の総会・研究協議会での発表だ。発表は、「アクティブ・ラーニング2018 ―AL指数・R80・TO学習の考案」と題したプレゼンテーションで、TEDカンファレンスのように講演の舞台を歩きながら進めた。

全国の高校長の約半数に当たる約2500人に向けたこのプレゼンテーション以来、全国各地からいろいろな問い合わせをいただいている。これは、全国の高校で授業改善が進行している証拠でもある。「R80」はルールが簡単で使いやすいので、ALのアイテムとして全国にますます普及するだろう。考案者として、とてもうれしいことだ。

連載2回にわたって、「R80」について述べた。次回は17年に考案した「TO学習」を紹介する。ALを「深い学び」につなげる学習である。

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