東京電機大学助教 山本 宏樹
ここまでダークペダゴジーの具体例を挙げてきたが、その要因について考えたい。例えば、同じような指導場面に置かれた場合、生徒を怒鳴りつける教師もいれば、生徒に根気強く対話を試みようとする人もいる。その差は何に起因するのか。
第一の要因に教育への信念が挙げられる。例えば、「生徒になめられたら終わり」という生徒不信ベースの教育信念を持つ教師は、生徒に対して最初からマウンティングを仕掛けて立場の違いをわきまえさせようとする傾向にある。
第二に過去の経験が挙げられる。……
この記事は購読会員限定です。購読を申し込むと、続きをお読みいただけます。