ダークペダゴジー ― 教師をむしばむ負の指導法(8)安易な個人批判を慎む

東京電機大学助教 山本 宏樹

 生徒側の要因もいくつか挙げておきたい。第一の要因に、子供の側の「逸脱的特徴」がある。忘れ物や遅刻、いじめのような逸脱行為のほか、髪の色が生まれつき茶色だといった生得的属性が指導の対象になる場合もある。前回の第7回で触れた愛着障害的特性もここに含まれる。社会学でスティグマ(烙印=らくいん=)という、こうした負の反応を呼ぶ特徴がダークペダゴジーを解禁する標章として機能する。

 第二の要因に、ダークペダゴジーに対する抵抗力の有無が挙げられる。ダークペダゴジーに反論・告発するためのソーシャルスキル、庇護(ひご)を与えてくれる保護者や教師、友人の存在はダークペダゴジーの抑制因として機能する。

 第三の要因に生徒側の「認知的整合化」が挙げられる。……

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