クオリティ・スクールを目指す(138)チコちゃん的思考と学習

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

専門家に聞く学習方法

金曜日の午後8時からのNHK番組「チコちゃんに叱られる」は大層人気がある。特に土曜日朝の8時すぎの再放送は視聴率が高い。子供も喜んで見ているようである。

「チコちゃん」の番組制作の仕組みは、周知のように誰もが当たり前と考えて気にしていない事柄を「?」で問い掛ける。聞かれてゲストが答えられないで「?」と戸惑うと、「ぼーっと生きてるんじゃねーよ」とチコちゃんの怒りがさく裂する。

その先は「チコちゃんは知っています」とその道の専門家に回答を尋ねる仕組みになっている。

そこで思い出したことがある。

東京都のある小学校の事である。2年生の子供たちが学校菜園でキャベツを栽培し、それを給食でスープにして食べたところ、とてもおいしかったので、3年生の総合的学習のテーマにキャベツを取り上げることにした。

一人一人がそれぞれ課題を考えたが、例えば「キャベツはなぜ丸くなるのだろうか」「キャベツは晴れの日と雨の日では成長に違いがあるのだろうか」「キャベツは青虫の付くのと付かないのがあるが、青虫はおいしさが分かっているのだろうか」というものであった。

そこで教師は、そうしたテーマを追究させるために、4枚の色紙を子供たちに配った。1枚目には、自分で考えたり、調べたりしたことを書きなさい。2枚目には、親や近所の人など誰にでも聞いて、そのことを書きなさい。3枚目は、図書館やインターネットなどで調べたことを書きなさい。

そして4枚目は、どうしても分からなければ専門家に聞きなさい、というものであった。

この教師の指導は大変優れていると考える。子供の学びには、単に知識を獲得するのではなく、自ら選んだ課題を自らのやり方で追究する、その課題追究の方略を身に付けることが学びにとって重要なのである。

ベネッセに勤務したときも、社員が中学生から質問が来たので回答を考えたのですが、と言ってきたのが、「フィジーの国の産業について宿題が出たのですが、教えてください」という内容であった。

社員の返事は「内容は教えられませんが、大使館の電話番号と住所をお知らせしますから、ぜひご自分で尋ねてみてください」と書かれていた。

学習の課題追究は、「ここまで分かるが、その先は?」という壁にぶつかる。そんなとき専門家に尋ねる、という方略がある。子供でも「深い学び」に達するために専門家に接することの学びは極めて重要で、そんなチャレンジが必要ではないか。