イエナプラン ―インクルーシブな学びの実現―(11) ヒューマンスペースな教室

日本イエナプラン教育協会特別顧問 リヒテルズ 直子


 イエナプラン創始者のペーターゼンが、イエナ大学で実験的な授業を始めた時のことだ。最初に取り組んだのは、床にくぎ付けされていた子どもたちの机を取り外し、小グループに分かれた際に座れるテーブルを用意したことだ。机上には生花を挿した小さな花瓶も置いた。個々の子どもの机にしまわれていた教材は共用棚にまとめ、誰もが必要な時に教材を取り出して片付けられるようにした。教室の壁は大きな黒板で覆った。子どもたちが黒板を自由に使って考えを交換し、教え合えるようにした。

 学校を「生と学びの共同体」と考えるペーターゼンには、伝統的な学校の教室があたかも軍隊の兵舎か工場のように見えていた。長い廊下に番号の付いた同じ形の教室が並ぶ様子や教壇と向かい合った子どもの机の配置を疑問視し、教師の権威を象徴していると批判した。

 オランダでは、学校舎は自治体が提供する。……

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