クオリティ・スクールを目指す(139)実体験と報告書を書く学び

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

親切すぎる教科書の解説は必要か

子供の学びが教科書内容と連動して社会体験と結び付くことは、極めて有効である。体験で得た学びを報告書の形でまとめることは高度な取り組みとなるが、学びがいのある学習活動である。

その学習が小学校4年の国語教科書に見られる。地域のごみ処理工場の見学を報告書に書くという学びである。

内容は、「課題をみつける」「課題にそって見学メモを作る」「調べたことを整理して、組み立て表を作る」「組み立て表をもとに報告文を書く」「書いた文章を読み返す」というもので、その説明が極めて具体的で詳しい。

国語研究会でベテラン教師に聞いてみた。この教材の指導をどうするかである。

回答によると、地域に必ずごみ処理工場があるから、社会科の見学に合わせて学習すれば容易にできる。

ある教師は、それにしても解説が丁寧過ぎて、子供が考える余地がない、以前はもっと説明が簡素だったと。教師の一人は、私の学級の子供が報告書を書いたら、少し変えるだけでほとんど似た内容になりそうと話していた。

詳し過ぎる教科書は必ずしも好評ではない。子供の興味を持つ体験活動が決まった枠の指導に導かれては主体化も対話力も育たない。

この場合は、ごみ処理工場をモデルとするが、見学対象は変えることが必要ではないか。

4年の社会科では、新学習指導要領に飲料水、電気、ガスを供給する事業や廃棄物を処理する事業について、地域の人々の健康や生活環境に役立っていることを理解するために、見学・調査したり地図などの資料を調べたり、まとめることとされている。

国語で報告書のまとめ方を学び、社会科の見学学習にクロスすれば、言語能力育成について教科等横断の典型的な学びになる。これは積極的に進めたい。報告書の書き方について他の教科書に5年生で扱う例が見られたが、4年生がベターではないか。

ただ、報告書の書き方に見学の喜びや創意工夫がなければ、形式的な記述の指導で終わる。「主体的・対話的で深い学び」とされる学習展開において教科書記述はどうあればよいか。2020年度からどう変わるであろうか。

教師は教科書の扱いをどうするか。創意ある単元展開を期待したい。特に、教師の傾向として単元展開や授業時数について指導書をまねる例が見られるが、子供の実態に応じて適切な単元構成と授業時数で組み立てるなど、カリキュラム・マネジメント力を発揮してほしい。さらに教科等横断にも多様な形で、積極的にチャレンジしてほしいと考える。