古くて新しいPTA問題 これからの保護者と教師の関係(1)役割分担を見直す

ジャーナリスト 大塚 玲子

保護者たちの間でPTAの在り方が問題になっている。このことは、さまざまなメディアで取り上げられていることから、今や当事者はもちろん、多くの人が知るところだろう。

PTAは本来、任意で加入・参加する団体だが、多くの学校で保護者本人の意思とは関係なく、子供が学校に入学すれば自動加入で会費を徴収されるのが現状だ。春の保護者会では、じゃんけんやくじ引きで役を強制される保護者が多い。そのため、PTAが恐れや嫌悪の感情を引き起こし、保護者を保護者会や学校から遠ざける原因にもなってしまっている。

背景の一つには、社会構造の変化がある。共稼ぎやひとり親家庭が増え、かつてのように専業主婦世帯は減っている。にもかかわらず、PTAは昔と変わらない活動内容や量を継続してきたため、今の保護者の実情やニーズとの大きな乖離(かいり)が生じている。それが、強制的で無理やりな維持につながっていると考えられる。

最近はPTAが任意加入団体だと認識され、退会や非加入を申し出る保護者も徐々に増えてきた。だが、「PTAは全員必ずやらなければならない」といまだに信じる保護者も多いため、退会を告げた保護者が役員から「PTAがしているサービスをお子さんに提供できなくなる」などと言われ、トラブルに発展することがある。これはPTAに学校施設を使わせる立場の校長がすぐ止めなければいけないことだ。

他方で、学校も大変な状況にある。文科省や教育委員会、地域や保護者から求められる仕事は増える一方なのに、その分の予算はろくに付かない。そのため、対応できるだけの人員を確保できず、教師1人当たりの負荷は増すばかりだ。過労死ラインを超えて働く教師が増え、教師の長時間労働は社会問題になるほど深刻さを増し「働き方改革」が急務になっている。

そういった状況の中、保護者という存在は、例えば「モンスターペアレンツ」という言葉に象徴されるように、教師の働き過ぎを生むあしき要因の一つとしてスポットを当てられがちだ。

PTAはもともと、保護者と教師が協力し合って子供たちの環境を整えるためにあるはずだ。それならば「もっと何かできることがあるのではないか」という気もする。だが、現実を見ると、PTAそのものが教師の仕事を増やす原因になっている面があり、なかなか一筋縄ではいかない。

これからの保護者と教師の関係には何が必要なのか。現状のようなPTAは求められているのか。保護者と教師の役割分担や連携の在り方を改めて見直す必要がある。これからの連載で考えていきたい。


【略歴】

大塚玲子(おおつか・れいこ) 1994年、東京女子大学卒業。2002年からフリー編集者・ライター。PTAなどの保護者組織や多様な形の家族を取材する。「定形外かぞく(家族のダイバーシティ)」代表。著書に「PTAをけっこうラクにたのしくする本」「PTAがやっぱりコワい人のための本」(太郎次郎社エディタス刊)など。