古くて新しいPTA問題 これからの保護者と教師の関係(2)保護者にとってのPTAとは

ジャーナリスト 大塚 玲子

そもそもPTAとは何なのか? 歴史をさかのぼると100年以上前、米国の2人の主婦がつくった「母の会」が「父母と教師の会」に発展し、PTAの原型になったといわれている。日本では戦後、GHQがこの米国の会を引き合いに指示を出し、文部省の旗振りの下、全国の学校にPTAをつくらせた。

戦前の日本に存在した「学校後援会」などの団体は戦争協力の土壌となっていたため、GHQはPTAをそれらと別物にするべく、「親たちが民主主義を学ぶ場」にしようと考えたようだ。当時つくられた「父母と先生の会」参考規約などの資料から、その痕跡がうかがえる。しかし、そういった理念は現場の学校や保護者にはあまり浸透せず、学校後援会的な要素を多く引き継ぎつつ結成されていったのが実情のようだ。

その後さまざまな政治的な思惑に巻き込まれながら現在の姿に至るわけだが、長い変遷を経てもなお、PTAには学校後援会的な面が強く残っている。具体的には、学校に保護者(主に母親)の労働力を無償提供する、また早急に見直すべきだが、強制的に集めたお金で学校に寄付をする(*)――など、リソース提供を担っている点だ。

PTAは「社会教育関係団体」であり、「公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするもの」(社会教育法第10条)となっているが、これも微妙なところがある。実際にPTAで行われている社会教育(講演会や勉強会)は強制動員(人数割り当て)が多く、保護者側のニーズに合致しているとは言い難い(強制するせいでニーズから離れてしまうともいえる)。好意的な見方をすれば、「社会教育関係団体」としてのPTAの位置付けは、「保護者が学校に奉仕し過ぎないようにする歯止め」なのではないだろうか。

総じて、PTAは「学校に労働力(お手伝い)を提供する」面と、「保護者同士が学び合う(社会教育)」面を併せ持ちながら、実際に参加する保護者(なぜか大半が母親)は主に保護者同士の交流や情報交換に楽しみを見いだしている、というのがおおよそ実情かと思う。次回以降は、学校・教員側がPTAをどう見ているのかについて考えていきたい。

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*東京など一部の地域を除き、全国の大半の地域ではPTA予算から学校への寄付が現在も行われている。多くのPTAは自動強制加入で会費が徴収されており、その会費による「寄付」は本来の寄付(自主的な献金)とはいえず、詐欺や恐喝に該当する恐れもあると指摘されている。