職業としての教員―「教師」というレトリック(5)「教員」から「教師」への重心移動

教職員支援機構上席フェロー 百合田  真樹人


ここまで、学校教育制度の下、制度的に設定された役割と社会的に期待される役割を担う「教員」について述べてきた。教員は職業集団の構成員であるとともに、与えられた役割を職業として担う、職業的アイデンティティーを持つ存在と言える。

一方「教師」は組織の構成員であることを前提としない。教員が教える主体と教わる客体という制度的な関係性の下で教育実践を担うのに対し、教師は、教育実践を介して他者との関係性を構築し、教える主体としての承認を得る必要がある。この点で、教師のアイデンティティーは対話を通して獲得されると考えられる。

これまで行政文書では、教育実践の主体を表すのに、もっぱら「教員」が使用されてきた。……

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