古くて新しいPTA問題 これからの保護者と教師の関係(4)教師の負担――「委員決め」

ジャーナリスト 大塚 玲子

教師がPTAを負担に感じる要因の一つは、4月の保護者会における委員決めだろう。このイベントを敬遠するのはなにも教師ばかりではない。委員決めを免れるため、欠席する保護者も多い。

なぜ委員決めが嫌がられるのか。端的に言えば、仕組みが間違っているからだ。

PTAは本来やりたい人がやるものであるはずなのに、多くのPTAに「1クラスから必ず〇人の委員を選出する」決まりがある。つまり、なり手がいない場合は「やりたくない人に押し付ける」形になる。じゃんけんやくじ引きで泣きをみる母親がいても「そういう仕組みだから」で片付けられてしまう。

保護者にとってもつらい時間だが、沈黙を続ける保護者に依頼し続けなければならない教師の役目も大変だ。PTAによっては、本部役員の保護者が進行役として入るケースもあるが、それでも教師は余分な時間を取られがちになる。

結局、保護者会の場で委員が決まらず、後で担任が「引き受けてくれそうな保護者」に個別に電話を掛けて懇願する、という話もよく聞く。新年度が始まったばかりの最も忙しい時期、結果的にPTAが教師の仕事を増やしているのは間違いない。

残念なことに、人権侵害レベルのひどい委員・役員決めを行うPTAもそう珍しくなく、最近では学校に寄せられる苦情も増えている。口に出すことこそないが、対応に当たる担任や教頭・副校長には、内心「PTAなんてなくなってしまえ」と念じている人も少なくない。

保護者の中には「学校の手伝いをするのだから、教師がそれくらいやるのは当然だろう」と言う人もいる。だが教師の側も、嫌がる保護者に押し付けてまで委員や役員を決める意義を感じてはいない。教師らに個別に話を聞かせてもらうと「そんなに委員をやりたくないなら、やらなくていいのに」という声が大半だ。

ところが保護者は、そんな教師たちの本音に全くと言っていいほど気が付いていない。ほとんどが「学校や子供たちのためにやっている」と本気で思っている。教師らはPTAに相対するとき、笑みをたたえて「いつもありがとうございます」「助かっています」としか言わないからだ。

建前を取り払ってみれば、今のPTAには、保護者も教師も互いに忖度(そんたく)し合って、誰のためにもならないことを頑張っている側面がある。