職業としての教員―「教師」というレトリック(6) 実像のない「教師力」

教職員支援機構上席フェロー 百合田  真樹人


 2005年10月の中教審答申「新しい時代の義務教育を創造する」では、個々の教員の力量を「教師力」と定義し、その強化によって学校教育全体の信頼性を確保する、教育政策の方向性を示した。

 学校教育は、予測困難な将来の社会への対応を求められている。とはいえ教員が、急速な社会変化に適時適切に対応しながら、学校教育の構造的課題にも丁寧に向き合えると考えるのは、およそ現実的ではない。

 だからこそ、変化に受動的に対応する「教員」としての在り方ではなく、変化に向き合い、自律的に判断して行動する主体としての「教師」へと、アイデンティティーの変化を求めた。……

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