クオリティ・スクールを目指す(140)持続可能な学校へそれぞれが努力を

eye-catch_1024-768_takashina-school

教育創造研究センター所長 髙階玲治

人口減少時代の学校の存立

人口減少の急激な波は、今までにないさまざまな現実を社会に迫りつつある。例えば河合雅司氏の『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書2017)には、「2020年には女性の半数が50歳超え」とか、「2024年には全国民の3人に1人が65歳以上」などの記事が書かれている。

また、『未来の年表2』(同2018)には、高校の例として、「11校の部員を寄せ集めた軟式野球部」がみられたと書かれている。少子化の影響で、軟式野球部を筆頭にバレー部、サッカー部、ソフトボール部などの合同部活動実施校が急増しているという。

そうした状況の背景には、出生数の低下がある。出生率よりも出生数が大事で、それが減少を続けている。この1年、子供が生まれない町村がかなり続出しているという。

一方、急激な波は学校にどう影響し始めるであろうか。当然ながら、地域に子供が生まれないのだから、学校統合がひんぱんに起こるようになる。また、学校を統合しないまでも、地域的に合理的な組織変更が行われる可能性がある。

また、周知のように教員希望者の急激な減少がみられるように、有為な人材が足りなくなる恐れがある。最近の新聞に、ある県が東京都の現職教員を引き抜き始めたという記事が載っていた。なぜ、こうした状況が起きるかは、周知のようにわが国は現在、人手不足という現状がさまざまな業種に大きな影響を与え始めているが、教員の世界も同様で、若者の間に学校の慢性的な多忙化を敬遠する傾向が顕著になりつつあるからである。だが、学校教員には、今、盛んに言われている外国人雇用は当てはまらない。ALTのように特別な場合のみである。

現在、中教審が「学校の働き方改革」を進めているが、少子高齢化の視点から考えても早急に必要な改革と言えるのである。将来に向けた学校教育の魅力づくりこそ重要である。

働き方改革を進めるのに必要なのは、①仕事を減らす②効率化する③人を増やす――の3点が基本である。そして、さらに重要なことは、その三つを進めながら、学校教育の生産性を高めることである。そうでなければ、何のための改革なのか、その意味がなくなる。

中教審の素案レベルでは、残念ながら①のみのようにみえる。しかし、働き方改革のスタートについたと考えれば、今後さらによりよい形に変えていくように努力することである。

実は、その努力は文科省や中教審のみでなく、教委や学校、個々の教員にも必要という自覚が求められると考える。働き方改革は個々の教員の職務遂行力に関わっていて、その職務の具体的な改善が学校のよりよい持続力を生むからである。そして、学校教育は、今後さらに変貌する予兆がみられるのである。