校長のパフォーマンス(94)積極的な「提案」による学校改善を

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教育創造研究センター所長 髙階玲治

学校の働き方改革は、中教審の「素案」に続いて、教育再生実行会議での論議になりそうである。「素案」では難しいとされた「人を増やす」「能率化する」などが、国の政策として実行されることに大いに期待したい。

そうした政策がなければ、AIなどがもたらすこれからの急激な教育の動きに対応できるはずがない。また、人手不足が拍車をかけているという実態は無視できない。一方、最近のデータに精神疾患で休職する教員が昨年度5千人超とされる。その背景は教員の多忙化と言われている。

ところで、学校の働き方改革の具体的な取り組みをみると、国や文科省、教委などの積極的な対応はもちろん必要であるが、学校が自校の実態に即して自ら改革を推進する仕組みが必要であると考える。

従来、教員の職務時間の管理が十分行えなかったのに、個人的に仕事を任される定型的業務が極めて高いという理由がある。他から個々の仕事ぶりが見えにくいのである。ただし、それは個人が全てを判断して仕事する個業とは違って、教員としての職務内容が厳然と決まっている。そこに共通の業務認識が存在する。

そうであれば職務内容を仕分けして、何が必要で、何を減らすべきか、という職務分析が可能になる。中教審の「素案」が一部具体化して提案しているものである。

ただ、それで十分かどうか、異論がかなりみられる。給食指導や掃除指導などである。子供に指導し、身に付けたい事項は十分検討すべきである。

そこで、働き方改革と共に考えたいこととして、自校で取り組む教育の在り方全般について、個々の教員が参画できる「提案制度」を行ってはどうか、と考える。学校組織の改善・改革は「提案」によって、小さなことでも可能にしたという証明がある。

実は戦後、大きな痛手を受けたわが国の企業が、復興・再生のために実施したのは創造性の導入による「提案制度」であったという。数値が残っていて、86%もの企業が実施していたのである。

今、学校はこれまでにない職務改革を実施しようとしている。スクラップ・アンド・ビルドは何よりも実施主体である学校や教員によって、可能なことから始めるべきではないか。一方、校長は、どうすれば多忙化が解消されるか、校内の仕事内容を吟味して、教員からの「提案」を具体化し、校内に解決策を広げていく努力をする。校長と教員が足並みをそろえないと学校の多忙化解消は難しいのである。

多忙化解消のみではない。学校改善全般についても「提案」を生かす工夫が必要である。前年度の踏襲をいつまでも続けていけば、閉塞(へいそく)的な状況は変わり得ない。「提案」は学校に活力をもたらす契機になるのである。