古くて新しいPTA問題 これからの保護者と教師の関係(6)保護者と教師の連携

ジャーナリスト 大塚 玲子

PTAはその名前からして、「P(保護者)とT(先生)が協力する場」という理解が一般的だが、実際にPとTが接触する場面はあまりないのが実情だろう。

学校にもよるが、多くのPTAでは管理職や担当の教師と、本部役員の保護者は比較的密に顔を合わせている。ただ、そこで交わされた情報が他の教師や保護者に共有されることはほとんどない。それどころか「役員会で出た話は口外禁止」という暗黙のルールがあったりする。

昨今は個人情報保護の観点から、大昔のように特定の保護者との間で起きたトラブルについて校長がPTA会長に相談するといったことも難しくなった(公立の小中学校では各自治体の個人情報保護条例が適用される)。

一般の教師と保護者はいつも、情報共有においては蚊帳の外で、活動中もほぼ接点がない。まだ小規模校であればおのずと関係ができていくようだが、学校やPTAの規模が大きくなるほど、両者が関わる機会は少なくなっていく。

私自身、初めてPTAの委員を務めたときには驚いた。教師と接触があるのは部長(委員長)くらいで、ヒラの委員である私は保護者数人と顔を合わせるのみ。もちろん必要がなかったのだから、教師と無理に接点を持ちたいとは思わなかったが、よく言われるような「PTAをやると教師と仲良くなれる」ことはない。それはごく一部の保護者に限った話だ。

現実を考えると、保護者と教師の連携は「タテマエ」、あるいは、本人たちが安心するための「アリバイ」のように感じる。管理職とPTA役員の保護者が定期的に顔を合わせて話をすることで、「わが校は保護者といい関係を築いている」と言えるようにしているだけでは、と感じることもある。

全国規模でみても同じだ。以前中教審の「学校における働き方改革特別部会」を傍聴した際、「この問題は、保護者の理解が必要ではないか」という議論の流れになっても、出席していた日本PTA全国協議会(日P)の代表者に水を向けるだけで終わった。日Pの代表者から、自治体ごとのPTAのネットワーク組織であるP連を通して一般の保護者に情報が伝わることは、現状で120%あり得ない。そもそも大方のPTA会員は日PやP連の存在すら知らないのだ。

個々のPTAにせよ、全国にせよ、もし学校や文科省が「保護者に伝えた」というアリバイづくりのために「PTAが必要」と考えているとしたら、早急に改めるべきだ。

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