職業としての教員―「教師」というレトリック(8)レトリックの陰で失ったもの


教職員支援機構上席フェロー 百合田  真樹人


教育現場には実に多くのレトリックがある。だが、レトリック自体を忌避の対象にするのは明らかに過ちである。

2005年の中教審答申「新しい時代の義務教育を創造する」が示した教師力のレトリックは、提示のされ方と結果だけをみると、あいまいで抽象的なまま「便利なレトリック」として乱用された側面が際立つ。教師の力量を構成する要素の実証的なエビデンスが何ひとつ示されていないにもかかわらず、あたかも実態があるように認識・活用した経緯については、詳細の十分な検証と猛省が求められる。

レトリックにどのように向き合ってきたかを顧みると、私たちが何に権威を与えてきたのかが垣間見える。……

この記事は購読会員限定です。購読を申し込むと、続きをお読みいただけます。