古くて新しいPTA問題 これからの保護者と教師の関係(8)活動時間を巡る対立

ジャーナリスト 大塚 玲子

PTAで保護者たちが対立する要因の一つに、「活動時間をいつにするか」という問題がある。専業主婦が多かった昔は平日、日中の活動で折り合っていたが、家族の在り方は大きく変わった。共働きや一人親の家庭が増え、専業主婦が激減したいま、もはや母親も父親も関係なく、なるべく多くの人が参加しやすい活動時間に見直す必要がある。とはいえ、いまだに平日、日中の活動を続けているPTAも一定数ある。

意外に思うかもしれないが、活動時間の見直しは地方が先行している。「ずいぶん前から、PTA活動は平日の夜か土曜日だけですよ。平日の日中じゃ誰も来ませんから」と私に最初に教えてくれたのは、四国や中部地方の保護者だった。専業主婦が一定割合いる都市部では、変えづらいところがあるようだ。

変えづらい、もう一つの大きな要因は学校だ。担当の教師は、PTAの部屋の鍵やセキュリティーの管理をしなければならず、なるべく自分の勤務時間内に活動を終わらせてほしいと考えている。その点、平日の日中の活動を希望する専業主婦と教師は利害が一致するため、なるべく勤めを持たない人を役員にしたがる傾向もある。

新設校の中にはごくまれに、保護者たちが使う部屋を校舎の1階に設置し、そこだけ鍵やセキュリティーを切り離しているケースもある。保護者は教師の都合を気にせずに好きなときに部屋を使えるので理想的だが、現状でそんな恵まれた設備を持つ学校はめったにない。

ではどうすればいいのか。正直なところ妙案はない。ただ、もし教師の都合でどうしても活動時間を平日の日中だけにしてほしいのなら、少なくともPTAへの加入と活動を任意にしなければならないし、急務でもあろう。任意にして、PTA活動に出てこない保護者が責められるようなことがなくなれば、平日の日中だろうと、平日の夜や土日だろうと、問題はかなり改善する。「活動時間をどこに設定しても出られない人はいる」と割り切って、「PTAは平日の日中に参加できる人が加入して活動する」とする選択もありだ。

最悪なのは、現在のように平日の日中の活動を死守しながら、保護者には加入や活動を強制し続ける、あるいはその強制を学校が黙認する状態だ。

そもそも、活動時間以前に強制的な加入や活動、会費の徴収は違法だ。校長が速やかに止めなければならない。だが実際には、保護者が「加入や活動を任意にしたい」と声を上げても、校長に却下されたという話を非常によく聞く。虫が良すぎるだろう、と感じる。

あなたへのお薦め

 
特集