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・校長としての心構え組織の健全性を明らかに
自覚を促す研修に力を入れる
前回は、自校のガバナンスを確立する方法として、時と場所の管理者を明確にすることについて考えた。授業時間中であればこれらの管理は心配ないが、放課後は責任の所在がよく分からなかった。学校という職場、そして職務の性格上、教員の意識に頼る以外に方法がないように思えた。そこで自覚を促す研修に力を入れることにした。服務事故防止研修
ちょうど人事部から、職員会議の一部の時間を使って服務事故防止研修を行うよう指導が入った。教育庁人事部からの資料もあったが、私自身が教育庁に在職した時代に取り扱った服務事故の事例を具体的に紹介した。例えば、痴漢を疑われないように、混んだ電車では常に本を持っている事例、リズムを取るために肩にポンポン手を置いたらセクハラで訴えられた小学校の事例、1500円の本を万引して2千万円以上の退職金をなくした事例、戒告処分で再雇用審査が不合格になった事例など、一瞬の気の緩みが人生を狂わせてしまうような事例を多く取り上げた。……
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