「司法面接」子供から正確な証言を引き出す技術(3)聴取における子供側の問題

立命館大学教授 仲 真紀子

事実の聴取を困難にする問題は、子供側にもある。何が起きたか、何があったかを明らかにするには、「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」情報の収集が必要である。だが、子供にとっては、これらの報告を自発的に行うことは容易ではない。

前回例に挙げた「鍋が床に落ちた」ケースのような体験の記憶は「エピソード記憶」と呼ばれ、「覚えている」「思い出す」という感覚と関わっている。これは、「給食の鍋は大きい」などの知識(意味記憶=「知っている」という感覚と関わる)とは区別される記憶である。エピソード記憶は発生、成長に時間が掛かり、時間の経過とともに記憶の減衰や変遷、汚染も生じやすい。

出来事を思い出すということは、目の前にその情景を思い起こすことでもある。……

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