「司法面接」子供から正確な証言を引き出す技術(4)自由報告を引き出す

立命館大学教授 仲 真紀子

前回までの内容を踏まえ、子供からの聴取の難しさをまとめると、次のようになるだろう。

 〇大人は仮説に基づいた具体的な内容を含む質問(クローズド質問)や、仮説を前提にしたWH質問(暗示質問)をしがちである。加えて、仮説に合う内容は受け入れる一方で、合わない内容は無視しがちである(確証バイアス)。
 〇子供は認知発達の途上にあり、社会対人的地位も低い。そのため教員や親など権威者である大人の発する言葉を受け入れ、誘導されやすい(被暗示性)。
オープン質問の4類型

こういった問題があるため、子供から何があったのかを聞くには、誘導的、暗示的な質問をせず、本人に自発的に話してもらうのがベストな方法である。このような語りを「自由報告」という。

また自由報告を引き出しやすくする、回答の幅に制約がない質問を「オープン質問」という。多くの研究で、次の4種類のオープン質問の有効性が確認されている。

第一は、「誘いかけ質問」と呼ばれるものだ。「何がありましたか」という、回答の幅に制約がない質問である。「何があったか、どんなことでも全部話してください」「何があったか、最初から最後まで、話してください」など、「最初から最後まで」「どんなことでも全部」といった言葉を添えると、さらに多くの情報が引き出されやすくなる。

第二は、「時間分割質問」である。誘いかけに対し、「E1があった」「E2があった」と報告が出てきたとしよう(E1、E2は出来事1、出来事2の意味)。いずれも子供の自発的な言葉であり、これらを用いて、さらなる情報を得ることができる。例えば「E1よりも前にあったことを話してください」「E1とE2の間にあったことを話してください」「E2の後にあったことを話してください」などである。

第三は、「手がかり質問」である。被面接者は「E1があった」「E2があった」と話しているので、例えば「E1のことをもっと詳しく話してください」「E2のことをもっといっぱい話してください」などと促し、さらに拡張してもらう。

第四は、「それから質問」と呼ばれるものである。子供の話が終わったように聞こえたら、さらに「それから」「その後は」と尋ねてみる。

これらオープン質問によって、大人の影響を受けない報告を多く引き出すことができる。