クオリティ・スクールを目指す(144)プログラミング教育は浸透するか

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教育創造研究センター所長 髙階玲治

専門的な立場からの支援が必要

新教育課程への移行期間が2年目に入るが、学校の教育用コンピューターの整備状況は、国の指標からみてもかなり遅れている。さらに、導入が決まったプログラミング学習の実施に向けた動きは低迷している印象がある。

ICTに関して言えば、教員の指導力はかなり高いと認定されていながら、普通教室の電子黒板や無線LANの整備率が極めて低い。恐らくはタブレット端末が普及すれば学習状況が大きく変わるとされるが、導入が遅れているために教員の指導力が生かされていないのが現状である。一方、プログラミング学習への実施志向は極めて低い。何よりも、プログラミング学習のイメージを持てないでいる。そのため、校長をはじめとして指導が難しいと考えて、自校への導入に積極的でない。教員たちも2020年から導入されると知っていても、関心を持たない。小学校の英語の導入のように必要感を持てる状況がない。

ところで、プログラミング学習の授業を見たことがあるが、専門的な指導員がいて、子供にとってはすごく面白いものであった。ただ、複雑な機器の準備や操作は必要で、教員には極めて難しいものであった。つまりは、プログラミング学習は、論理的思考力を高めるのに必須な学習であると紙面で説明するだけでは教員が理解できない。そうした技術的な課題が残ると考える。教員がプログラミングの実際に参加できる研修を早急に実施すべきである。

ところで、2月19日の日経新聞に「プログラミング教育 官民で」という記事が載っていた。文科省や経産省が小学校のプログラミング教育の普及に向けて、トヨタ自動車、グーグルなど17社・団体と連携した授業を行うと伝えている。「授業案は15種類。うち米グーグルの日本法人は地域の魅力を発信する動画をプログラミングでつくる授業案を作成。トヨタなど自動車4社などは子供を工場に招き、自動車のセンサーなどにプログラミングが使われていることを教える」と書かれている。文科省などは今回の事業を呼び水に、各地域で民間が協力する態勢を整えていく。参加校を募集し、9月から動画教材を配信したり、企業訪問を行ったりする。

この事業の試みは学校への大きな支援になるであろう。新教育課程はあれもこれもと多様化・困難度を増しており、学校内部の対応が厳しい状況に置かれているからである。

一方、国家的な課題として、IT人材の育成は早急に必要とされることである。そのためのプログラミング教育の導入であって、学校の教育環境を整えるという基本的な施策がなければ実施は難しい。この機会に学校も外部との連携を強化していくことを期待したい。

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